新聞には早すぎるな・・・?と俺は思ったが、
眠かったので無視してそのまま寝ようとしたが、
いつまでたってもその音は鳴り止まない。
不審に思った俺は、上半身を起こして玄関の方を見た。
まだ夜も明け始めていなかったので、
部屋の中は真っ暗だった。
まだ暗闇に慣れない目を細めながら、玄関の方をじっと見ると、
新聞受けのあたりで何かが動いているのが見えた。
背筋が寒くなるのを感じながら、
俺は意を決してベッドから起き上がり、
まだ
「ガタガタッ」
と音をたてている玄関の方に近づいた。
玄関でその光景を見た俺は言葉を失った。
新聞受けからドアノブに青白い手が伸びていて、
それがドアノブを執拗に上下させていたのだ。
えっ!なんでこんなとこから手が出てるの?!と
俺が絶句して立ちすくんでいると、
その青白い手はグニャ~っとあり得ない方向に曲がり始め、
ドアノブの上の閉めてある鍵まで伸びてきて、
その鍵を開けようと手首をグルグルさせ始めた。