のび太「そこまでハッキリ言わなくても……」
ドラえもん「まぁまぁ。これは本来の筋書きさ。
僕が未来から来たことで、のび太くんにこらえ性ができる。
その結果、借金が出来た後もノーベル賞こそとらないものの地道な発明を続け、無事に
借金を返すと言うわけさ」
のび太「なるほど……」
タイム・パトロールが黒服の男を連行していく。
黒服の男の持ち込んだひみつ道具も次々と押収されていった。
のび太「ドラえもん……もう帰るの?」
ドラえもん「うん……もう役目は終わったからね」
のび太「そっか」
ドラえもん「のび太くん、君は立派な大人だよ。親友の僕が言うんだから間違いない……そ
れに僕がいなくなったって他に4人も親友がいるじゃない」
のび太「大丈夫だよ、僕は」
ドラえもん「約束だよ、のび太くん。僕を作ってね」
のび太「うん……」
タイム・パトロールが帰っていき、少ししてからジャイアンとスネ夫も病院に向かった。
しずかは二人に付き添っていく。
出木杉とのび太の二人だけが屋上に残り、夜空を見上げていた。
のび太「出木杉くんは病院に行かなくていいの? 腕折れてるんじゃない?」
出木杉「あとで行くよ。でも、その前にのび太くんと話がしたくて」
のび太「そっか。僕もだよ」
出木杉「帰ってったね。ドラえもん」
のび太「うん」
出木杉「最後に、ドラえもんと何を話していたの?」
のび太「約束をしたんだ。いつか必ず、僕がドラえもんを作るって」
出木杉「……君の作るロボットは、全部ドラえもんだよ」
のび太「え?」
出木杉「いつも思ってた。僕はどうして科学者として君に追いつけないのかって……勉強は
僕の方が出来たのに」
のび太「……………」
出木杉「きっと想像力なんだ。のび太くんは僕には思いつかないようなことを思いつく。そ
れはたぶん、ドラえもんといた日々のおかげだよ。君はいつもドラえもんを目指し
ていたんだ……理屈に絡められすぎた僕には出来ない発想だよ」