リアルは高校3年の2学期
相変わらず学校にはほとんど行かない
この頃担任も諦め気味なのか若干電話の頻度が落ちていた気もする
だが行かないわけにも行かなくなったのは2学期も中盤に差し掛かった辺りだった
「このままじゃあ卒業できない」と言われた
普段はそういう話になると逃げていた俺だがこの時ばかりは逃がしてもらえなかった
そして今更ながら俺は危機感を持った
ここまで来た以上、辞めるのは勿体無いと思っていたのもあり
素直に俺は聞き入れて登校するようになった
人間やる気さえあれば何とかなるものなのか
俺はリコさん達の元々のLSの活動に加えHNMLSの活動もこなし
かつ学校に登校するという状況になった
もちろん慢性的な寝不足に陥り学校では常に寝ていた気がする
この頃、FF11のほうに目立った動きはなかった
平和なもんだった
そしてどちらにも波風は立たないまま俺は見事に高校を卒業した
正直進路なんか全く考えていなかったが専門学校に入学した
奨学金を借りてな
FF11では姉御たちが「卒業おめでとーいえー」とか祝ってくれた
どーにも気恥ずかしかった
同時にこの頃、俺はHNMLSにあまり身が入らなかった
割と欲しいものも揃ったし、上を見続けなければ装備的にはもう充分だったのだ
それでも古株になっていたこともあり惰性で俺は活動を続けていた
だが最早確立された戦法で多少のアクシデントはあっても作業的に強敵を潰していく
もう欲しいアイテムもない、見返りの無いただの作業
そんなものに楽しさを見出せなくなっていた
随分と時間が立ったがリコさんに対する恋心はまだ燃えていた
専門学校はなんだか馴染まなかった
別にコミュニケーション能力は低下していたわけじゃなく
ほぼ全ての男子とは仲良くなれた
しかしやはり担任が性質に会わなかった
この担任もやはり女で全部がそうだと言うわけではないが
今でも女教師と聞くと拒否反応を起こしそうになる
高校の時は我慢できていたが今度はそうは行かなかった
夏に、俺は専門学校を中退した
親とは相当対立した
父親には殴り蹴り飛ばされた
だが俺はこの時、初めて父親に反撃した
親子喧嘩、と言えば聞こえは良いんだが俺は小さな頃から父親に好感は持っていなかった
故に知らない人が見たら警察呼んでもおかしくないんじゃないかというハードなバトルに発展した
対照的に母親は何も言わなかった
「行きたくないなら、しょうがないよな」と、笑って言ってくれた
少し申し訳ないとは思った
誰にも迷惑をかけない、後で俺が被る不利益に俺は文句を言わない
とか何とか考えていた、俺はつくづく大馬鹿だった
奨学金、その金の重さは俺のような大馬鹿にはわからなかった