楽しい食事タイムはここまでだ
その瞬間楽し気なランチタイムは終焉を告げた
教室中が静寂に包まれる
誰一人息をしない
否、できない
「……」
鼻を垂らした児童も
年中短パンの小僧も
皆一様に変貌する
戦いを迎える戦士の表情へと
僕は周りを見渡す
ここにいるのは小学4年生ではない
獲物を求める狩人だ
おかわりタイム
ほぼ全ての小学校に存在するであろうシステム
その単語は
小学生男子にとっての聖戦を意味する
誰一人動こうとする者はいない
静寂に包まれる
沈黙が支配する
誰が…
誰が先に動く…
皆が動けずにいる中
一人の少年が、動きだす
「はいっ先生!僕が食べます!」
「っ!?」
先に動いたのはメガネをかけた少年
武内だった