辛かったな』
「その人の事は忘れなくていい。ゆっくり思い出にしていったらいい。思い出に出来るまで傍で待ってるから」
『俺は死なないから・・・』とても嬉しかった。
彼と接しているうちに、昔の彼の事を思い出す時、
穏やかな気持ちに少しずつなれていた事に気付き始めていた頃の事。
また、彼を喪うことに・・・
私は自分の耳を疑い、運命を呪いました。
彼が事故に遭い、病院に運ばれたと連絡が入ったのです。
急に昔の彼の事が頭を過ぎり
全身の血の気が引いていくのが解りました。
当初は朦朧としてはいたものの意識はあったそうですが
病院に運ばれてから急に悪化したそうです。
私が駆けつけた時には既に息を引き取った後でした・・・
以前から何度かお会いしていた
彼のお父さんに付き添われて彼に会いました。
彼の綺麗だった顔には大きな傷が残っていて痛々しく
自分の心も痛くて息が出来ませんでした。
そんな私を気遣いながら、
彼のお父さんは私に彼の携帯を渡してくれました。