救急車の中でも携帯を離さなかったそうで
その携帯を開くと、私宛のメールが打ってありました。
『ずっと愛してる、約束やぶってごめん』
人前で泣くのが大嫌いな私が
堪えきれずにボロボロ泣いていました。
こんな声が出るのがと思うくらい惨めな声で泣きじゃくりました。
彼のお父さんは
『きっと、どうしても最期に伝えたかったんだと思うよ』
と言って私の肩をポンと叩きました。
顔を上げると、お父さんも泣いていました。
『こいつは、ずっと君と結婚するんだと騒いでいたんだよ』
と言った擦れた声が妙にハッキリと私の頭に響きました。
臆病で照れ屋で今まで一度も・・・
以前好きだった彼にさえした事はなかったけど
傷付いた彼の唇に自分からキスをしました。
初で最期の彼へのキスでした・・・
そして以前
ふざけながら話していた子供の名前の話やマイホームの話を
彼の明るい声と笑顔と共に思い出していました。
今はとても後悔しています。