【クレヨンしんちゃん】しんのすけ「……父ちゃん、母ちゃん。ひまわりは今日も元気です。――行ってきます」誰も知らない22年後・・・

四郎さんは、やはりどこか様子がおかしい。
何か、追い詰められているようにも見える。

「……あの、四郎さん。それで、今日はどういう用件で……」

「――そ、そうだ!せっかくなんで、僕がご飯作りますよ!」

「え?い、いや……」

「まあまあ!ちょっと台所借りますね!」

「え?あ、ちょっと……!」

まるで逃げように、四郎さんは台所へ向かう。
やはり、何かあるようだ。しかも、オラに言いづらい何かが……
それが何なのかは分からない。分からないけど……

(……とりあえず、様子を見るか)

もしかしたら、お金に困っているのかもしれない。
こう言ってはなんだが、彼の姿を見る限り、普通の暮らしをしているとは考え難い。
それならそうと言ってくれればいいのだが……まあ、そこは本人の口から言うべきことだろう。

オラはとりあえず、テレビでも見て待つことにした。

テレビでは、夜のワイドショーが流れていた。
特に見たい番組もなかったし、ぼーっとしながら眺めていた。

芸能人の噂、スポーツの結果、特集……いつもと変わりないような、極々ありふれた話題が放送されていた。
そして番組は、ニュースに変わる。

『――本日夕方ころ、春日部市○○のコンビニエンスストアに、強盗が入りました』

(家からわりと近いな……物騒だな……)

『犯人は店員を包丁のようなもので切りつけ、金を出せ、と言いました。しかし店員が大声を出すと、男は何も盗らずに逃走しました。
県警は、強盗致傷事件として捜査を開始し、防犯カメラの映像を公開しました。
――こちらが、その映像です』

そしてテレビには、防犯カメラの映像が流れる。

……そしてオラは、そこに映る犯人が、誰かに似ていることに気が付いた。

(……あれ?これって……)

肥満体質、メガネ、ぼろぼろの服、ボサボサの髪……

「――ッ!?う、嘘だろ!?これって……まさか……!!」

「――ニュース、流れちゃったんだね……」

「――ッ!?」

突如、背後から四郎さんの声がかかる。
すぐに後ろを振り返ると、そこには、四郎さんが立っていた。魂の抜けた、脱け殻のような、弱々しい笑みを浮かべながら……
――そしてその手には、包丁が握られていた。

全身の毛が逆立った。心拍数は一気に上昇し、背中に嫌な汗が流れる。

「……よ、四郎さん……」

「……ごめんね……しんちゃん……」

――テレビでは、繰り返し防犯カメラの映像が流れる。

そしてそこに映るのは、四郎さんだった。

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