【クレヨンしんちゃん】しんのすけ「……父ちゃん、母ちゃん。ひまわりは今日も元気です。――行ってきます」誰も知らない22年後・・・

数日後、オラはとある公園にいた。
空はあいにくの雨。視界に斜線を入れるかのように、雨が降り続いている。
当然、公園に他の人はいない。
掻き消されているのか、降りしきる雨の音以外、何も聞こえなかった。

その中で、傘をさしてベンチに座る。
実のところ、オラは雨の日が嫌いではない。
雨粒を受けた木々、花々は天の恵みを受け生き生きと存在感を示す。濡れたアスファルトからは、普段とは違う、そう、雨の匂いがしていた。
この風景を見ていると、どこか落ち着いて来る。
天の恵み……なるほど、その言葉も納得できる。

「……しんのすけ」

ふと、雨音に紛れるように、オラの名前を呼ぶ声が聞こえた。
その声の主は、誰だか分かっていた。なぜなら、オラが呼んだからだ。

オラはその人物の方を向く。

「……やあ、待ってたよ、風間くん……」

「………」

風間くんは、何も言わずに立っていた。
スーツ姿にビジネスバッグ、黒いコウモリ傘をさしている。
その表情は、薄暗く空のかかる、雨雲のようだった。

「……とにかく、座りなよ」

「……ああ」

ベンチに座るよう促すと、濡れたベンチを気にすることもなく、風間くんは座った。
そしてオラ達は、しばらくの間、会話を忘れて水に潤う情景を眺めていた。

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