ス「……したらこの値が…」
チラリと横目で女さんを伺う。
最近は塾で見かけても、話もしないし、目も合わせていない。
ス「…んでこれからこれ引いて……」
自分の右手を見る。
あのとき絡めた指の意味は、あのとき女さんが言った言葉は、なんだったんだろうか。
わからない。
わからなくて、確かめるのが怖くて。
ス「はい、男答えは?」
スコットの言葉で現実に引き戻される。
男「あ、えっと…」
慌てて立ち上がるが、全くわからない。
ス「ぶっぶー時間切れー」
ス「授業に集中しろよー」
男「すいません」
ス「まぁよし、座れ」
スコットが呆れたように言う。
あぁ、なんか。
わからない事だらけだ。
翌日は朝から酷い暑さだった。
昼にならないうちから日差しは容赦なく地面を照らし、
早くも気温は30度を越えている。
友『マック来い』
男『嫌だ、暑いから』
友『いいから』
友『女さんいないから』
友『早く』