おばさんは、本家と切れると脅せば慌てると思ってたらしいけど、親父もお袋も全く動じず。
事が思うように進まなかったおばさんは錯乱して、親戚中に電話かけまくって。
俺が変な女に掴まって家が滅茶苦茶になった、なんて吹聴して。他の親戚が心配してくれて。
俺や親父に電話したり直に来てくれたりもしたけど、事情話せば理解してくれる人が多かった。
親戚内で相手にされなくなり、同居してた本家の姉さん夫婦も子供連れて別居する事になって。
それ以後は、音信すらなくなった。六日間での出来事。全然頭がついていかなかった。
その年の彼女とお婆さん伴っての帰省は中止になった。
婆ちゃんが彼女の事をおばさんに話したのを気に病んで体調崩して寝込んでしまってたし、
おばさんが実家に彼女が居ると知ったら何かしてくるかも知れないと、親父が不安がって。
おかんが婆ちゃんの体調を理由にして彼女に謝って。彼女は残念がってたけど、
「お大事にってお伝え下さい。」婆ちゃんはそれ聞いて、ずっと泣いてたと聞いた。
婆ちゃんは本家のおばさんと歳近くて仲良かったから、一番辛い思いしたと思う。
俺がおばさんを納得させる事が出来ていたらそんな事もなかったし、
おばさんが孤立してしまうような事も無かった筈で。何もできなかった自分が情けなくて。
彼女には内緒で俺だけで朝一の電車乗って、晩に間に合うように帰る手筈で実家に帰った。