社長「この裁判……我々の敗訴です」
社長「今すぐ慰謝料を払わせていただいまするぅ~~~~~~!」
裁判長「むう……これは……早くも決着――」
弁護士「お待ち下さい」
社長「弁護士君、無駄だ! 終わりだ! Mr.キャットの理論は完璧すぎる!」
社長「ここは慰謝料を払うしかない! それしか我が社の生き残る道はないのだ……!」
弁護士「そんなことはありません」
弁護士「原告に申し上げる」
弁護士「電子レンジとは本来、食品を温めるためのもの」
弁護士「こちらとしては、生きてる猫を入れることなど全く想定していない!」
弁護士「よって、慰謝料など払う必要はこれっぽっちもない!」
社長「弁護士君、それは屁理屈だよ! 詭弁だよ!」
猫「ぬう……」
猫「なにを申しておるか」
猫「あの電子レンジの説明書には、“猫を入れてはいけません”とは書いてなかった!」
男「そうだそうだ!」
女「その通りよ!」
猫「説明書に書いてない以上……貴様らには“説明不足”という罪がある!」
社長「まさしくその通りだ……完璧だ……! 今すぐ慰謝料の用意を……」
弁護士「……」
弁護士「説明書に書いてなかった? ――ハッ、そりゃそうでしょう」
猫「な、なにっ!?」
社長「な、なんだと!?」
弁護士「常識で考えてみて下さい」
弁護士「さっきもいいましたが、電子レンジとは食品を温めるための家電製品……」
弁護士「いくら説明書に書いてないからといって、猫を入れる人はいませんよ」
弁護士「入れる人がいるとしたら、そりゃただのバカです」
弁護士「ましてや、自分から入るなど……」
弁護士「あなた……よほどの バ カ なのでは?」
猫「ぬ、ぬう……ッ」