女「それは、あなたが悪いのよ?」
男「はぁ? どうして俺が悪いんですか?」
女「あなたが、かっこよすぎたから」
男「っ―――、なっ、何を急に……!」
女「本当は、私の目に適う人がいなければ適当な女の子を見繕う予定だったの。 でも、あなたがいたのよ」
男「…………」
女「一目惚れって本当にあるのね。 あなたを見た瞬間、とても興奮してしまったわ」
男「……なんか言い方がいやらしいんですけど」
女「事実なんだからしょうがないわね。 少なくとも、あなたの存在は私に冷静さを失わせるのに十分だった、ということよ」
男「一応、光栄に思っておくことにします」
女「今すぐにでも抱かれたいところだけど、今日は我慢するわ」
男「ブッッッ!!?」
女「着いたわ。 ここが私の家……覚えておいて。 それじゃあ」
男「あ、ちょっと……!! ったく、むず痒くなるようなことを易々と言いやがって……」
男「…………帰るか」
ー男の家ー
男「ただいm……おわっぷ!?」
姉「おかえり~~~っ!!」
男「い、いきなり抱きつくのはいい加減やめてくれないか……姉ちゃん」
姉「いいじゃんいいじゃん~! 私にとってにぃにに抱きつくのは、パワーを充電する大事な儀式なんだよ!」
男「また“にぃに”って……俺は弟だろ」
姉「だって、私よりもにぃにの方がよっぽどしっかりしてるし、背が高いし」
男「背が高いのは普通だろ。 いや、姉ちゃんは確かに小さいけどさ……」
姉「小さい言うなぁぁぁっ!!」
男「痛っ! な、殴らなくても……痛い、痛いって!!」
姉「うぅぅぅ……どうせ私は背が小さくて、童顔で、ぺったんこで、つるつるですよぉーだ……」
男「いや、後半三つは言ってないからな?」
姉「と、とにかく! 男は私の理想的な“お兄ちゃん”像に近いの!」
男「そう言われてもねぇ……」