姉「ぶぅ~っ……それに、今日は一緒に帰ってくれなかったし」
男「たまにはいいだろ? それに、今日男友から改めて言われたんだけどさ」
姉「男友くん? あぁ、情報屋の子かぁ、いつもお世話になってますってお礼を言っておいてね?」
男「姉ちゃんも利用者なのかよ……って、何を聞いてるのさ?」
姉「えっとね、にぃにの傍に悪い女は群がってないかどうか!」
男「最悪だよ! どうしてそんなことにお金使っているんだ!?」
姉「私にとっては、自分の命よりも大切なことだよ!?」
男「……ったく、それはもう過保護だって」
姉「いいのいいの、全部自己満足なの! で、なんの話だったっけ?」
男「え? えっと……そうだ、男友に言われたこと! なんか俺達が付き合ってる、どころか、血が繋がってないっていう噂まで流れてるんだぞ?」
姉「付き合ってる……私と、にぃにが……えへへ」
男「なにトリップしてるんだよっ」
姉「ハッ!? え、えっと……う、噂は噂だから、気にしなくてもいいんじゃないカナ?」
男「……語尾が妙に片言っぽくなってたのはなんで?」
姉「ううん、何でもないよ!? 別に、私が噂を流しているとかじゃないし!」
姉「お、お仕置きするのなら、お尻ペンペンがよかったよぉっ……」
男「誰がするか」
姉「にぃにが反抗期なんだよ……」
男「言葉の組み合わせに、違和感しか感じないんだけど」
姉「むぅっ……そういえば、今日は何をしてたの?」
男「ん~?」
姉「なんで一緒に帰れなかったの、ってこと」
男「あぁ……えっと……」
男(どうしよう、何も言い訳を考えていなかった……!)
姉「……?」
男「……まぁいいか。 えっと、転校生が来たんだけど、その人にここら辺を案内していたんだよ」
姉「転校生? この時期に?」
男「珍しいよな。 休み時間に聞いた話では、理由は親の仕事の関係上ってことらしいけど」
姉「この時期に転校って大変よね……にぃに、ちゃんと面倒を見てあげるのよ?」
男「……はいはい」