そのひげ面の人は山さん(仮名)としておこう。
イケメンというわけではないが優しい感じの、まさに好青年といったところ。
そんなこんなで、気付けば二人でうまい棒を配ってた。
配りながら、とは言っても貰ってくれる人はほとんど居ないので二人でうまい棒を高らかに掲げながら、お互い自己紹介をした。
その中で、山さんはバカげたことが大好きな生粋の2ちゃんねらーで、近所の大学に通う学生さんだということがわかった。
んで、うまい棒配りにも飽きてきたころ。
今度は、20代半ばくらいの二人組に話しかけられた。
一人はめちゃくちゃ細くてすんげーおしゃれな優男、もう一人は、ばっちり日焼けしたちょっとチャラそうなやつ。
俺と山さんは気付いてなかったが、ちょっと前から二人のことを見ていたらしい。
俺が二人に何してたのかと聞くと、優男のほうが
「人間観察」
だと答えた。
聞くならく、アニメイト前で良くこうやって人間観察をしているらしい。
にしても、リアルで人間観察なんて単語を使う人がいるんだということに驚いた。
要は優男とチャラ男、二人して暇人なんだと。
ちなみに優男とはこの後結構長い付き合いになります。
んで、気付いたら4人でうまい棒を高らかに掲げていた。
ぽかぽか陽気の3月の昼下がり。
それはそれは珍妙な出会いだった。