「ごめんなさい。でもお願い、まだ別れないで。今別れられたら死んじゃう」
とか言われたけど、俺には元々そのつもりがなかった。俺なりに、彼女を精一杯励まし続けた。
しばらくして彼女退院、その後は車椅子の生活が待っていた。
俺は、自分で言うのもなんだが、献身的に付き合っていたと思う。
でも、彼女を愛してるって言ってもまだ二十歳で、彼女とは交わったことがなかった俺。
当初はそんな元気も無かったが、しばらくすれば溜まる。
だが彼女がこうなってしまったしまった以上、どうすることもできない。
毎日右手が恋人だ。。
しばらくして、彼女も徐々に元気を取り戻してきた。
事故のショックも癒えてきた頃。
その間、何度も浮気しそうになる衝動に駆られた。
実際、飲み会とかで軽く誘われたりもした。
しかし、結局はそうしなかった。
ある日、俺は意を決してその苦しさを彼女に話した。
彼女のことを思えば賢明ではないという葛藤があった。
けど、今後もずっと一緒にやっていこうと思っている以上、
話さなければいけないことだと判断したからだ。