俺は意を決してその苦しさを彼女に話した。
彼女は「そうか・・・」とつぶやいた後、こんなことを言った。
「今からでもしてみる?」
彼女のその言葉には面食らった。
「でもお前・・・」
「いいの、いいの。その苦しさを発散させるために彼女がいるわけだし。それにさ」
「それに何?」
「貴男が他のヒトでするの考えちゃうと、嫉妬しちゃうからさ。
我慢できなくなったら・・・普通の恋人同士みたいにしよ・・・」
この日、俺たちは初めて交わった。
彼女は感覚が無いながらも
「きもちいいよ」と言ってくれた。
それが切なくて、俺は泣きながら彼女を抱いていた・・・
下半身不随になっても、できることはできる。
俺たちはこの日を境に本音で話し合うようになった。
俺は、大学卒業後、医療系の仕事に就けるように進路を決めた。
やっと、進むべき道が決まったんだ。
彼女は、車いすでもできる仕事に就けるように、
今、必死に英語を勉強している。
早く一人立ちして、彼女を妻と呼べるように頑張ります・・・