しばらく進むと水の音がしてきた。
『そう言えば喉渇いてたな……』
と思った途端に腹も減ってきた。
そうだ、昨日から何も食ってなかった。
山菜も小熊に横取りされたし、水だけでもたらふく飲みたいなあって思った。
熊親子は川まで来ると、水を飲みだした。
俺も釣られて水がぶ飲みした。
水を大量に飲んでとにかく腹を膨らませないとって思った。
水を飲んだことにより、多少の安心感が生まれた気がした。
小熊はそのまま水遊びを始める。
親熊は日陰に移動して座り始める。
『何これ……俺どうしたら良いの????』
とりあえず暑いので俺も日陰に移動した。
なんとか村に帰る方法を考えないといけない。
けど体はボロボロだし一度体力を少しでも回復しとかないと……とか色々考える。
色々考えすぎて上手い事帰る方法がまとまらない。
「なあ、村の方向知らないよね?」
何故かわからないが俺は親熊にそう話しかけた。
親熊
「……」
当たり前だが返事は無かったが、帰る方法考えてる内に
『とりあえずこの熊は大丈夫な奴らなんだな』
って事だけなんかわかって、それだけで急に安心感と心の余裕が生まれ始めた。