何か手がかりがあるかもしれないし」
「はい、わかりました。」
話を聞いて愕然とした。
メリーさんは自分の名前以外
ほとんどのことを覚えていない。
家族のことさえも家族がいたとしかそんな認識しかない。
ほぼ記憶喪失と言っていいだろう。
それでも断片的な記憶は残っているようだ。
屋上、川、神社など地名もいくつかでてきた。
この場所をたどる事で目的が見つかるのだろうか。
思ったよりもかなり難しいかもしれない前途多難だ。
ある日、俺は午後になったあたりから体に妙な違和感を感じていた。
しかし霊感の「れ」の字もない俺は、体調でも崩したか程度に思っていた。
道行く人がたまに俺のほうを見てびっくりするあたり、顔色が非常によろしくないのかもしれない。
こういうときは酒を飲んで早く寝るに限る。
コンビニで引きつった顔の店員から酒を買い、その日は10時前には寝た。翌朝、しっかり寝たはずだが体の違和感は消えていない。
朝の準備を済ませた後でふと昨日は携帯を朝かばんに入れたっきりで、一度も出さずに寝てしまったことを思い出しあわててチェックしてみた。
・・・・・・・留守電11件、しまった、誰か緊急の用事でもあったのか、とりあえず再生せねば
「私メリーさん、今○○駅にいるの」
「私メリーさん、今○○大学の前にいるの」
「私メリーさん、今○○教室の前にいるの」
「私メリーさん、今あなたの後ろにいるの」
「私メリーさん、さっきからあなたの後ろにいるの」
「私メリーさん、あなたの後ろにいるんですけどー、もしもーし」