魔王「必要だから?」
側近「目的、と言っても良いかもしれません。魔王様、試しに私に命令して見てください」
魔王「命令?どんな命令だ?」
側近「『自由にどこへ行ってもよい』っと」
魔王「そうだな。試してみるか。側近、自由にどこへ行ってもよいぞ」
側近「では・・・」ダダッ
魔王「おお!側近が外に出ても無事だ!」
側近「や・・・やった!」ブルブル
側近「いやっほぅ!じ・・・自由だあああああああああああ!」ダダダッ
側近「はぁはぁ!空気うめえええええええ!城のかび臭い空気と全然違う!」
側近「ひゃっほぅうう!久しぶりの外だあああああ!ああ、緑だ・・・緑がこんなに!」
側近「川だああああ!水だあああああああああ!ひゃあああ、つめぇえ!気持ちいい!」
側近「ああああ、土の匂い、木の匂い、さいっこうだ!ひゃっはー!」
魔王「お・・・おい、側近?」
側近「いやっほぅ、いえええい」
魔王「おい、戻って来い、側近」
側近「ええ?なんですってぇ?きこえませーん!」
魔王「あ・・・あいつ・・・耳栓してやがる・・・」
側近「もう二度と戻るか!ばーか!ばーか!世界は魔族のものになってんだから遊びまくってやるぞおお!ひゃー!」バサバサ
ピューッ
魔王「い・・・いってしまいおった・・・」
魔王「側近め・・・」
魔王「しかし・・・あいつは私の命令で外に出ることが出来た・・・ということは・・・」
魔王「私が私に命令すれば・・・」
魔王「私は、私が外に出ることを許可するぞ!」ダッ
魔王「あっ、あぢぢぢぢぃ!だ・・・駄目だ」
魔王「私が以前外に出た時はどうだったか?いや・・・外にでたことあったか?」
魔王「そういえば・・・以前大魔王様の命令で出たことが・・・」