竜騎士「お呼びで。魔王様」
魔王「ああ、すまないな。ちょっとドラゴンを貸して欲しくてな」
竜騎士「あぁ、どちらか行かれるのですか。確かに勇者にやられたその翼では飛べませんね」
魔王「ああ、頼めるか」
竜騎士「御意。選りすぐりのドラゴンを用意しましょう」
側近「それでどこへ行くんです?」
魔王「とりあえずまっすぐ上空を目指す」
側近「はぁ?なんでそんな」
魔王「確かめるのだ!その世の摂理を」
魔王「いくぞ!ドラゴン!」
ドラゴン「ギャアアアス!」
バサバサ
魔王「私の体は・・・大丈夫だな。まだだ・・・もっと!もっと上空へ」
バサバサ
魔王「もっとだ!」
バサバラ
ドラゴン「ギャアアス!」
魔王「どうした!?うっ・・・上空から・・・風?」
ドラゴン「ゼィゼィ・・・」
バサバサ
魔王「無理か・・・もういい・・・引き上げるぞ」
ドラゴン「クェェ・・・」
側近「で、どうでした?」
魔王「だめだ。風で上空へは行けない」
側近「それは残念でしたね」
魔王「ならば・・・側近!地下を掘れ!」
側近「地下・・・ですか?」
魔王「そうだ!城の者総動員で出来るだけ深く掘るのだ!」
側近「はぁ・・・分かりましたよ・・・」
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側近「ま・・・魔王様・・・」
魔王「どうした。さっき穴を掘れと言ったばかりではないか」
側近「そ・・・それが・・・掘り始めてすぐに・・・」
魔王「何があったんだ」
側近「それは見ていただいたほうが・・・よいかと」
魔王「分かった。案内してくれ」
側近「ここです」
魔王「どれどれ・・・こ・・・これは・・・空洞?」
側近「ええ・・・何もないんです」
竜騎士「え?空洞なんて見えませんが」
門番「普通の地面ですよねー」
魔王「なに?お前達にこれが見えないのか?」
門番「?」