側近「私には空洞に見えます、それに数字の羅列?」
魔王「これは・・・観測する者によって結果が異なるのか・・・となると・・・」
側近「どうしました?魔王様」
魔王「門番、ここに何が見える?」
門番「普通の地面です」
魔王「ふむ、門番、ここに何が見える?」
門番「普通の地面です」
魔王「門番、ここに何が見える?」
門番「普通の地面です」
魔王「側近、ここに何が見える?」
側近「さっきから何同じこと聞いてるんですか?魔王様」
魔王「ふっ、なるほど。なんでもない。私はちょっと城門まで行く」
側近「そうですか・・・しかし不思議だなぁ」
魔王(恐らくこれは自我と関係しているのではないか・・・)
魔王(大魔王様もしかり・・・。神か何かは知らないが・・・操られているものと・・・自我を宿したもの)
魔王(大魔王様や門番が同じことしか言わない違和感・・・)
魔王(もしかしたら私も以前は自分で考えていると思っていたがそうでなかったのでは・・・)
魔王(確かに勇者を捕らえる前の私は迷ったりすることはなかった)
魔王(これは・・・勇者を倒すという目的を失ったことが起因か・・・とすると・・・)
魔王(もう魔王ではなくニートか・・・側近の言葉はあながち間違いでもなかったな・・・)
サッ ボボゥ
魔王「ふっ、やはり手が燃えおるわ」
魔王(だが・・・これは私がそう位置づけられているという内面の問題ではないのか)
魔王(側近は、地面の下に空間をみた・・・。内面の意識によって観測現象が変わった)
魔王(私の内面が変われば・・・あるいは・・・)
魔王(私は自由だ・・・私は何者にも縛られない・・・私の行動は私が決める・・・)
魔王(私の目的は自由になることだ!!)
ダッ
魔王「うっ・・・?ん?」
魔王「も、燃えない・・・外に出られる・・・」
魔王「外に出られるぞおおおお!」
ヴーン
声「深刻ナエラーヲ確認シマシタ 深刻ナエラーヲ確認シマシタ 深刻ナエラーヲ確認シマシタ」
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衛兵「ま・・・魔王様あああああああ!」
魔王「今度はどうした!?」
衛兵「ゆ・・・勇者たちが蘇生しました!」
魔王「なんだと!氷魔法で封印してたのではないのか!」
衛兵「それが突然氷を破り・・・体を修復して・・・」ガクガク
魔王「行くぞ!側近!」
側近「え?私はちょっとお腹が・・・」
魔王「いや、やはりこれは私が原因の問題だ。お前は来なくていい」スタスタ
側近「ま・・・魔王様?」
魔王「見てやろうではないか。真実と言うものを!」
スタスタ