変人は机の中に入っていたらしいチョロQで遊んでいた。
他の人の腕に当たった時は
「ごめんね」と言い申し訳なさそうな顔をしていた。
そんな日が数日続いて仮入部期間は終了。
部活を始めるのはいつでも出来るという理由で、
俺達3人はどこの部活にも入らなかった。
しばらくして
テストの時期が近くなっても、
休み時間は3人で集まって話していた。
俺は授業中ノートをとるので精一杯だった。
たくはノートすらまともに取らずに寝ていた。
変人はノートを取りながらお菓子を隠れて食べていた。
そしてテスト数日前。
流石に危機感を覚えた俺とたくは、
休み時間と昼休みにテスト勉強をし始めた。
変人が話しかけてくれたけど、
テスト勉強しなくちゃいけないからまた後で。
と返すと「そっか」と寂しそうな顔をして教室から出て行った。
数分経ってから変人が教室に戻ってきて、
手に抱えたいちご牛乳を差し出しながら言った。
「はいこれ、甘いものは勉強するときに良い、らしい」
ありがとうと返して1本もらって、
テスト終わったらまた話そうなと言って俺はテスト勉強に励んだ。
俺のところに来た後、
たくの方にも行っていたから
多分たくにも差し入れをあげていたんだと思う。
少し変な奴だけど、
友達になれてよかったと心から思った。
その後変人は勉強するわけでもなく、
一人で携帯をいじりながら頭を抱えていた。
そしてテストが終わってテスト返却。
俺は期待していた点をギリギリ取れて微妙な気持ちになり、
たくは赤点ギリギリだったらしく、危ない危ないと笑っていた。
変人はクラスでトップ。
先生は学年でトップかもしれないと言っていた。
家で勉強しているのかと聞いたら
変人は「ううん、そんな暇、ないよ」と困った顔で笑っていた。