休み時間 校庭の一角
女「…ほら、男君。あーん…」
男「…あーん」パクッ
幼「…おうおう。予想以上にあまあますぎる光景で見てられねーぜ…」
男「お前がやれって言ったんじゃ…モグモグ」
幼「いやーもっとこう、ほのぼのしててご飯のおかずになるような光景が見れるかなーと思ってたんですけどね。殺意、沸いちゃいました♪」
男「ひどい人だ…」
女「…それにしても、凄い体験でした」
幼「女さんは、誰かに食べ物を食べさせてあげたのって初めて?」
女「初めてですよ!初めてに決まってます!…ああもう恥ずかしい」
男「俺達は小さい頃から何度かやってたけどね」
女「え?そうなんですか?」
幼「そうさね~、まあ昔から一緒に遊んでればね~」
女「…へぇ~、そうなんですか」
女「…へぇ~、そうなんですか」
幼「もっとも、今の二人みたいにあまあまなヤツじゃなくて、ふざけ合いの内でやってたって感じなんですけどね」
女「…なるほど」
男「食べさせあいにはあまりいい思い出がないよ…」
幼「そうそう。私が焼きソバを食べさせてあげた事があったんだけど、割り箸をふざけて勢い良く口めがけてつっこんだせいで口の中で割れちゃってさー。口の中血だらけにしちゃった事があったっけ。さすがにあの時は3日間くらい口を聞いてくれませんでした」
男「あの時は痛くてしゃべりたくなかったんだよ…」
女「…楽しそうですね」
男「いや、楽しさからはかけはなれてた気がするよ?」
女「…そうだ。お二人の食べさせあいも見せて下さいよ」
男「…女さん、俺に何か恨みでも?」
女「いえいえそんな事は。ただ、お二人はどんなに楽しそうな雰囲気で食べさせあいをするのか、ちょっと気になってしまって」
幼「絶対つまらないと思うけど…」
幼「絶対つまらないと思うけど…」
女「面白いかどうかを決めるのは私です。ささ、早く早く」
幼「…男君、やります?」
男「俺は別にいいけど…」
幼「うん…じゃあ…」
女「幼なじみさんが食べさせる側でお願いします」
幼「うん…」
幼「それじゃ…このマヨネーズつきアスパラで…」
男「…」
幼「…男君、いくよ?」
男「…うん」
幼「…スッ」
男「…」
女「…」
幼「…」
男「…」
幼「…っ」
男「…幼なじみ?」
女「…」