親戚の年上のお姉さんと付き合うことに
俺の親戚(親父の従姉の娘)に4歳年上のユカリさん(仮名)と言うお姉さんがいた。
俺も妹も優しくて奇麗なお姉さんが大好きだった。
田舎に行くのは電車で行くにしても、車で行くにしてもかなりの時間を要するので、
お盆や正月に田舎に行くのはかなりかったるかったけど、
お姉さんに逢えると思うと田舎に行くのが楽しみだった。
田舎は結構過疎化?が進んだ地域で、歳の近い親戚も俺たちくらいしかいなかったので
ユカリさんも俺たちが田舎に来るのを楽しみにしていたようだ。
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ユカリさんは東京の女子大に受かって、近所のマンションに引っ越してきた。
ユカリさんに会える機会が増えて俺は嬉しかったな。
家の部屋は余っていたから、車で15分位の近所にマンションを借りる位なら
うちの家に下宿すれば済むのにそうしないのは変だなと思ったけど、
母と叔母さんの反対によるらしかった。
親父は下宿させたかったらしいけど、
サカリのついた年齢の男の子のいる家庭に大事な娘は預けられないってのは
年頃の娘や息子を持つ母親としては真っ当な判断だったのだろう。
ユカリさんが家に来ると、母は来ている時は態度に表さないけど不機嫌だった。
まあ、中学の時は喧嘩三昧で数々の問題を起こし、
高校に入学して早々に停学を喰らうようなDQNな息子の居る家に無防備にやってくるユカリさんは
気苦労の種だったろうからね。
親父は何かと家に呼んでいたけどね。
あれは俺が高3の夏だった。
父と母が海外旅行で留守なのをいい事に、
俺は連日予備校の夏期講習をサボってバイクを乗り回していた。
バイクは車に行った先輩のお古を5万のある時払いで買って、
仲間の家に置かせてもらっていた。
俺がバイクに乗ってるなんて知ったら親も卒倒しただろうね。
ユカリさんは俺たちの飯の世話なんかの為にうちに泊まっていた。
妹は大喜びだったけど、俺は家に居たくない気分だったんだ。
普段あまり乗るチャンスがないので、少しでも多くバイクに乗りたかったってのもあるけど、
近くにユカリさんがいるっていうだけでムラムラするし、
そんな自分の邪な内心を悟られるのが嫌だったからね。
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仲間や先輩の所に外泊しながら、バイクを乗り回し始めて何日目だったかに、
俺は自爆事故を起こしてバイクを売ってくれた先輩の車で病院に運ばれた。
バイクは全損だったけど俺自身の怪我は肋骨にヒビが入ったのと打撲程度だった。
仲間が病院から家に電話をしてくれて、
ユカリさんが保険証とかを持って迎えに来てくれた。
レントゲン撮影だのCTだのの検査をして、
処置室でシップや包帯を巻かれた俺が待合室に行くと、
目を真っ赤に腫らしたユカリさんが待っていた。
彼女は俺の顔を見るとプイッと会計の方へ行ってしまった。
仲間の話だと、かなり取り乱して入ってきて、
俺が出てくるのを待っている間ずっと泣いていたそうだ。
「後の始末は俺達がやっておくからお前は帰れ。彼女に謝っておけよ」
と言われて俺は彼女の運転する車で帰宅した。
車中では2人とも無言で空気が重かった。
最初に口を開いたのはユカリさんだった。
「お願いだからもう、危ない事は絶対にしないで。」
「・・・・・」
「次郎クン、私のこと避けているよね。私のこと嫌い?
それならもう行かないようにするからこんな事はもうしないで」
「ごめん。姉さんの事は大好きだよ、嫌いだから避けてたんじゃないよ」
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そう言うと、俺は自分の顔が耳まで真っ赤になっているのが分かった。
もう、外は暗くなっていたから見た目では分からなかっただろうが。
家に着くと俺はすぐにベットに入って眠った。
眠ると事故のシーンが何度も蘇ってきて、夜中に目が醒めた。
目が醒めて横を見るとユカリさんが居て、俺の寝汗を拭いたりしていてくれた。
「うなされていたよ。朝まで傍に居るからもう少し寝なさい」
と言われたけど、もうドキドキで眠るどころではなかったね。
それでも、寝た振りをしていたら本当にうつらうつらしてきた。
すると、顔に髪の毛がかかる感覚がして、しばらくすると唇に柔らかい感触が・・・。
もう俺の心臓はバクバク、あそこはギンギンだった。
俺が目を開けるとユカリさんは慌てて逃げようとしたので、手を掴んで
「朝まで一緒に居てくれるんだろ。傍に居てよ」というと、また横に座りなおした。
「ねえ、昔みたいに一緒に寝てよ」と言うと、そのまま黙って添い寝してくれた。
彼女の心臓もドキドキいっているのが伝わってきた。
彼女の顔を見つめていると彼女が目を閉じたので、俺は彼女の唇にキスをした。
暫らくキスを続けていると俺を抱きしめる彼女の力が強くなって、
普段の大人しい物腰からは想像の出来ない激しさになった。
そのまま夜が明けるまでどっちの唇なのか舌なのかも分からなくなるくらいまでキスしたね。
アバラの痛みも忘れそうなくらいに蕩けたよ。
その後も俺の両親が帰ってくるまで妹の目を盗んではキスしていたね。
ユカリさんの家庭教師の甲斐もあってDQN一直線だった俺も
一浪して地元の私大に滑り込む事ができた。
彼女は「大学に受かったら一緒にツーリングに行こうね」
といってバイクの免許を就活の合間に取った。
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ユカリさんがバイクの免許を取った時は回りは皆驚いていたね。
本当に大人しい人で、外に出るよりも部屋で本を読んでたりする事の方が多かったから、
誰もバイクに乗るユカリさんの姿は想像できなかっただろう。
俺がバイクを買う為に貯金してる事を知って
「あんな痛い思いしたのに、まだ乗りたいの?」
「うん。バイクって面白いよ。好きな所に自由に行けるし、自分で操っている実感があって楽しいよ」
「私がバイクに乗ったら、一緒に何処かに連れてってくれる?」
「ユカリ姉さんがバイク?冗談だろ」
「あら、私、車の免許だって持ってるわよ。バイクの免許くらい取れるわよ」
「うーん、俺の大学受験より厳しいんじゃなの?」
「言ったわね。じゃあ、次郎君が大学に受かって
私がバイクの免許取れたらツーリングに連れて行ってね」
俺が大学1年の夏休み、
俺は貯金と親ローンで借りた金で買ったGPZ400Rの中古、
ユカリさんはCB-1の中古を同じショップで買ってツーリングに行った。
俺はクラブ活動やらで忙しかったし、ユカリさんは社会人1年生。
偶々休暇が重なったので2人で一泊ツーリングに出かけた。
俺が事故った晩に初めて「キス」して2年目でやっと俺たちは初めて結ばれた。
事故った日に彼女とキスするまで俺はそれなりにHの経験はあったけど、
その時が一番緊張したね。
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考えてみれば、それまでの相手はどうでもいい相手で、
DQN仲間に見栄を張りたいDQN男とDQN女が
手近なところで間に合わせただけ。
好奇心はあったけど恋愛感情はなかった。
ドキドキはしたけど予防注射打たれる前のドキドキと大差なかったね。
本当に好きな人とするのは初めてだった。
なんと言うか、息苦しくて切ない、そして・・・本当にいいのか?
嫌われないか? なんて恐怖心もあったね。
温泉から上がって部屋に戻ると、2人とも無言だった。
俺も緊張してたけど、彼女も相当緊張していた。
俺が彼女の手を軽く握ると彼女はピクっと震えた。
彼女の顔を見つめると彼女が目を閉じたので
いつものようにキスをした。
数え切れないくらいキスはしていたし、
かなりディープなキスもするようになってたのに彼女の唇は震えていた。
俺も緊張していたので歯がぶつかったりもした。
彼女の震えが止まって力が抜けると、俺は彼女を布団の上に押し倒した。
浴衣の上から彼女の胸を揉んでいる(というかさすっている)と
ノーブラの小振りの胸に付いた乳首が堅くなってきた。
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彼女の浴衣をはだけると彼女は顔を真っ赤にして両手で顔を隠した。
ガキの頃を除けば、彼女の裸を見るのは初めてだった。
ほっそりした白い身体に薄い体毛、細長い手足。長くて奇麗な髪に小さい顔。
色黒で毛深いウチの家系では突然変異のような奇麗さ。
俺が知ってる全ての女の中でも最高だった。
俺は興奮して持っている限りの全ての知識を駆使して愛撫した。
興奮しきっていたので、何をどうしたのかは詳細は覚えていないけど。
普通の温泉旅館だったのでゴムの備え付けはなかったので生で挿入した。
出来ちゃったらどうしようとも思ったけど、彼女とだったら構わないと思ってやった。
挿入すると少し抵抗感があった。
浅くゆっくりと出し入れしながら徐々に挿入を深くして少し緩んできた所で一気に貫いた。
貫いた瞬間、彼女は俺の肩を強く掴んで腕を突っ張った。
その後はずっと俺にしがみ付いていたね。
狭い彼女の内部は俺の物にぴったりとFITした感じで、
チンポの先端から彼女の内部に溶けて行くような感覚を覚えたよ。
俺はたまらずに思い切り彼女の中に放出した。
彼女は初めてだったので、2R目は無理だった。
俺の放出した精液と少量の血が彼女のあそこから流れでていた・・・・。
彼女は大学卒業後、学生時代のマンションを引き払って千葉に引っ越していたし、
俺はクラブの練習や遠征続きで逢う機会が極端に減っていたけど、暇を見つけては逢っていた。
俺は大学卒業後、彼女と結婚するつもりでいたし、彼女もそう考えていたと思う。
大学3年のお盆休み、田舎に戻るついでにツーリングしようと言う事で2人でバイクで田舎に行った。
俺たちは2人の関係を隠すつもりもなかったし、
俺は2人の両親が揃っている前で婚約を執り付ける腹だった。
お揃いのメットとジャケットを着て、2人仲良くやってきた俺達を見て叔父さんは微妙な表情をしていた。
母は露骨に嫌そうな顔をしていた。今思えば、他の親戚も微妙な表情をしていたな。
田舎に着いた晩、俺は叔父さんに呼ばれて2人で隣町の飲み屋に行った。
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叔父さんは
「次郎君、君はユカリとどの位付き合っているんだい?
あれが君の事を好いていたのは子供の頃から知っているが、
今日は少し驚いたよ。もしやとは思っていたけどね」
俺は
「すみません。これまでも隠すつもりはなかったんだけど、ボクが高3の頃からです。
今回はみんなの前で結婚のお許しを貰おうと思って2人できました」
叔父さんは
「反対した所で辞める気はないんだろう?
しかし、君はまだ学生だし、まだ先の話だ。
君には皆期待している。今やるべき事に集中しなさい。
将来の道が確定してからでも遅くはないだろう。その方が余計な軋轢もなくていいよ。」
翌朝、彼女と彼女の両親と俺のオヤジが出かけていった。
俺は前夜のことを考えながら近くの峠を流しに行った。
夕方に戻ると、彼女は急用ができたとかで東京に戻っていた。
法事が終わって、ウチの一家も戻る事になった。
帰りはオヤジが彼女のバイクに乗って親父と2人で帰ってきた。
途中インターで休憩を取っている時もオヤジはタバコばっかり吸って終始無口だった。
その夏以降、彼女と連絡が余りつかなくなった。
俺は全日本大会出場が決まってクラブの練習で休みなしだったから、
忙しさの余り気にする余裕もなかった。
就活も忙しくて、大会後もたまに連絡は取るものの会う機会はなかった。
そして大学4年の秋、強化合宿中の俺に妹が凄い剣幕で電話をかけてきた。
「お兄ちゃん、ユカリお姉ちゃん結婚するんだって! どうなっているのよ。
お兄ちゃん達付き合ってたんじゃないの? もう訳わかんないよ!」
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訳がわからないのは俺も同じだった。
合宿から帰ると俺は彼女のアパートに行ったがもぬけの殻。
会社もとっくに退職して、先月末に引き払ったとのこと。
叔父さんに電話すると
「人の心は変わる物だよ。君も男だろ、聞き分けなさい。
あの子は今が一番大事な時期だ、電話も控えてくれ」
と取り付く島もない。
妹を彼女の実家に行かせたりして(俺だと門前払いなので)みたが
実家にはおらず、どうやら親戚中(叔父方中心に)を回っているらしくお手上げだった。
そうこうしている内に彼女に会えないまま春になり、結婚式の3日前くらいになっていた。
彼女から電話があった。
俺が何も聞いても、泣きながら「ごめんね」と言うだけで全く埒が開かなかった。
結婚式当日、俺は場合によっては「卒業」をやらかす腹積もりで式に出たが、
親父に「もし、おかしな真似をしたら俺はお前を殺して此処で死ぬ。
式が終わるまで黙って座っていろ」と言われて大人しくしていた。
彼女の相手の男は40前の脂ぎった男だった。
弁護士だか税理士をしているという。
俺は多分、奴に殺意の篭った視線を送っていただろう。
彼女の結婚式の後、俺は極度の鬱状態に陥った。
決まっていた就職も蹴ってしまっていた。
全日本大会も1回戦で格下相手にKO負け。
練習も極度に集中力を欠いた状態で危険だった。
ついには、禁足処分と半年間の休養を命じられ、
完全に習慣化していたロードワークと補強運動、
筋トレ以外には部屋に引き篭もる生活を続けた。
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母は部屋の前に置いてある食事が朝無くなっているのを見て、
俺がまだ生きていると安心したそうだ。
本気で俺の自殺を心配していたらしい。
俺は、家族と顔を合わせるのを徹底的に避け続けた。
親父はそんな俺を見かねて限定解除を勧め、
それに従って試験場通いしたのが切っ掛けでカオリさんと
知り合い、彼女と付き合う事で俺は鬱から取りあえず脱する事が出来た。
いや、俺もかなりの糞野郎だし・・・・事情が事情だったんで親戚は責められないんだ。
俺が他の親戚の立場でも同じ行動取ったと思う。
事実の核心はここでは書けないけどね。
カオリさんと別れて2・3年後、彼女が離婚したと言う話を耳にした。
俺はバイトをしながら選手を続けていた。
結婚後も彼女が俺の出る試合の試合会場に来ていたのは、大学の後輩たちや妹の話で知っていた。
彼女の結婚に俺以上に納得できないでいた妹も、彼女の離婚後は、
「会ってあげなよ。ユカリお姉ちゃん、お兄ちゃんの事まだ好きなんだよ。
会って話だけでも聞いてあげなよ。お姉ちゃん可哀想だよ」
「お兄ちゃんだって、他の女の人と付き合ってたじゃない。元に戻れないにしても、許してあげなよ」
許す、許さないではなく、俺は彼女に会うのが辛すぎて彼女を避け続けた。
彼女に逢ったら心が折れてしまいそうだった。
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後輩やセコンドに付いた仲間にも自分の控え室やウォーミングアップスペースに近づけるなと厳命した。
今更逢って何を話すつもりなのか?
俺は『頼むから、俺の前から消えてくれ!』と確かに思っていたよ。
思えば、そんな状態が更に1・2年以上続いていたんだな。
あっという間だったよ。
相変わらず俺は彼女を避け続けていた。
今更、どんな声を掛ければいい?
でも、どこかで彼女の姿を探していた所があったのも確かだった。
生徒や仲間に囲まれながら目は彼女を探していた。
彼女の姿を見つけるとホッとした。
我ながら度し難い奴だと思うよ。
そんなある日、彼女の訃報が飛び込んできた。
バイク通勤の帰り道、濡れたマンホールを踏んで転倒、ポールに頭部を強打して亡くなったという。
その話を聞いて俺の頭の中は真っ白になった。
俺にとっては、彼女がまだバイクに乗っていたのも驚きだった。
俺は彼女の死に顔は見ていない。
叔母さんが「あの子は次郎ちゃんにだけは見られたくないと思うの。その代わり、これを持っていてあげて」
そう言うと金色の所々鍍金の剥げた鍵を渡された。
それは、俺が大学3年の夏、田舎に行く前にメットとジャケットを買い揃えた時に
彼女が「この鍵可愛い」と言うので、プレゼントしたCB400SFのスペアキーだった。
CB-1が車検切れになって新車購入した、その時のバイクに乗り換えてから大分経つが、
ずっと使い続けていたんだ。
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「俺が姉さんにバイクなんか教えなければ・・・」
「いいえ、バイクに乗るようになって、引き篭もりがちで、
大人しかったあの子は元気で明るくなったわ。
叔母さん感謝してるの、
それに、結婚したんだからバイクは止めなさいと言ってたんだけど、
バイクに乗っている時は次郎ちゃんと一緒にいるような気がすると言っていたわ・・・」
叔母さんはそう言うと泣き崩れてしまった。
その後、親父や叔母さん夫婦から色々な話を聞いたよ。
なぜ、あの夏以降彼女が連絡を絶ったのか、なぜ、急いで結婚したのか。
母の彼女に対する微妙な態度の理由も、親戚の俺たちを見る微妙な視線の意味も、
親戚中が俺が彼女に逢うのを妨害した理由も全てがつながった。
田舎に行った夏、東京に帰った後、
妊娠が発覚して彼女が1人で子供を堕ろしにいった話を
叔母さんの口から聞いたときは涙が止まらなかったよ。
子供好きで、結婚したら子供は2人で、妹や友達が遊びにこれる家を買って、
子供が大きくなったら家族4人でツーリングして・・・と、楽しそうに語っていた彼女が・・・。
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その後しばらくの間、俺は連日連夜三京や首都高湾岸線、環状線を逝かれたスピードで飛ばし続けた。
覆面も事故も何も怖くなかった。なにか、もう全て麻痺していた感じだな。
前のように鬱になった訳ではなかった。悲しいという気持ちも確かにあったけど、
何か怒りのような凶暴な感情に囚われていた。
昼間、街中で仲の良さそうなカップルを見ると無性にぶちのめしたくなった。
夜、一人でいると、じっとしている事ができない。
回りの物を全てぶっ壊したくなる衝動に駆られたよ。
俺が毎晩狂った走り方してるのは仲間にも知れ始めていた。
俺のC型ZZRを見かけた仲間は絶対事故って死ぬと思ったそうだ。
まあ、よく事故って死ななかったものだと自分でも不思議に思うよ。
首からぶら下げていた彼女の鍵がお守りになっていたのかね。
そんな俺の荒れた状況を聞きつけて、ケンジという俺の大学時代からの親友が
俺のところに来てくれてね。
俺の行きそうな所に網を張って捕まえてくれたんだ。
ケンジはユカリさんのこともカオリさんのことも知っている友達で、
仲間や俺の妹から話を聞いてカミサンや子供、仕事もほっぽり出して埼玉から駆けつけてくれた。
ケンジは「お前、あんな走りを彼女に見せられるか?
後ろに彼女乗せてあんな走り方できるのか?」
と言って、俺の行動を諌めてくれてね。
更に「ここで聞いたことは全部俺の胸の中に仕舞って置く。全部吐いちまえよ・・・」
と言って俺の話を全て聞いてくれた。
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話を聞いてくれた上で、一緒に涙を流しながら
「なあ、次郎。彼女はお前のどんな所が好きだったのかな?
少なくとも、今の自棄になったお前に惚れる事はなかったんじゃないの?
彼女の好きだったお前でいてやれよ」とか、
「別れる前のお前が彼女の為にどんな男になろうとしてたかは判らないけど、
彼女はお前の中で生きていてお前の事を見ていると思うんだ。
彼女をがっかりさせないように頑張ってやらないと。
死んだ彼女の思いに応えてやれるのはお前だけなんだからさ」
といって俺を叱咤してくれた。
ちゃんとした家庭を築いて、子供まで育てているヤツの行動と言葉は重かったよ。
俺がケンジに捕まったのは三京の保土ヶ谷PAだった。
朝まで色々語り合ったよ。
俺の事思ってくれるケンジの気持ちが嬉しかったし、ありがたかった。
空が明るくなりかけた頃、俺達は別れた。
「辛いだろうが自棄は起こすなよ。
おまえ、次の誰かを好きになるまでユカリさんとタンデムしてるんだよ。
すぐに、リアシートは交代だろうけどな。
お前は人を好きになれる奴だから、次の彼女もみつかるよ。
そしたら、ユカリさんも安心するだろうよ」
そう言うとケンジは去って行った。
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もう、馬鹿をやる気は失せていたけど、
ユカリさんの事といい、カオリさんの事といい、
俺にはまともな 恋愛は無理なんじゃないかなとも思ったね。
どちらか片方だけでもヘビーな体験だったからね。
それから暫らくして、俺のZZRのエンジンが掛からなくなった。
中古で買った初の大型で、今度の車検切れまで持てばよいと考えて乗っていたが、
ここの所の無茶な乗り方が災いしたのだろう。
その頃は他のバイク仲間も殆どバイクを降りて車に行ってしまっていた。
俺もバイクを降りる事を考えたが、ユカリさんの好きだった『俺』の中には
バイク乗りの俺もいただろうと思ったので、奮発して一年落ちのショップ在庫の新車を買った。
不人気色な上、モデルチェンジ直前でかなり安くなってたしね。
買ったマシンがマシンだけに周りは俺がまた暴走を始めるんじゃないかと色めきたったけど、
俺は慣らしの2000mile、3200kmを実際にタンデムしたことはなかったけど、
背中にユカリさんを感じながら走ったよ。
今のバイクに乗り始めてから、今はもう30000km。
俺は事故ったことも、コケたことも、立ちゴケさえも した事はない。
俺のバイクのタンデムシートには今でもユカリさんが座っているんだと思う。
コケたら彼女が痛がるだろ?
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俺は本当はこの話を書くつもりはなかった。
思い出すとまだつらいし。
最強の鈍感野郎さんたちの話に触発されたのもあるんだけど、
俺の心境を変化させる出来事があったので書いたんだ。
けど、やっぱ、駄目みたいだ。うぷ前にチェックがてら自分の書いたものを読み返したら、
リアルに思い出しちゃって頭の中がぐちゃぐちゃになってしまった。
自分の中では割り切ったつもりだったんだけど。
