千尋「特にやりたいこともないのに、ただなんとなく大学へ行くって言う気にもなれなくて…」
千尋「周りは冒険したりするのも良い、とか、自分の好きなように進みなさい、って言ってくれるんだけど,,,」
千尋「何か胸にひっかかって前に進めないの」
?「…….うん」
千尋「何か大切なことを忘れているような気がして、でもそれが思いだせなくて….苦しいの」
?「……」
千尋「だけど、ここに来てからは….なんでか分からないけど….」
千尋「苦しい気持ちを忘れられることが多いんだ。」
千尋「安心するっていうか….現実逃避なのかもしれないけど心が穏やかになるの」
?「….うん」
千尋「それで….」
千尋「それでね….」
?「…..」
千尋「すごく、変なことを言うようなん、だ、けど….」
?「…..」
千尋「あなたとしゃべっていると、懐かしい気持ちになる」
?「…!」
千尋「似ているの。誰かと…。それが誰かって聞かれると….わからないんだけど….」
千尋「私のことを助けてくれた人と似ているの。」
?「….うん」
千尋「出会って間もない人にこんなことを言うのも….本当に変なことってわかっているんだけど…」
千尋「ごめんなさい」
?「ううん。私も….同じように感じている」
千尋「え…..」
?「放っておけないんだよ。」
千尋「わたしを….?」
?「うん」
千尋「……っ」
千尋「もっと変なこと聞いてもいい?」
?「なに?」
千尋「私達….どこかで会ったことある….?」
?「…..どうだろうね…」
千尋「….」
?「…..」
千尋「….」グゥ…
千尋「!」
?「ご飯を食べてないの?」
千尋「お昼食べずに早退しちゃったから…ご、ごめんなさい真剣な話をしているときに…」
?「ううん。すぐ戻るから、ここで待ってて」
千尋「はい」
千尋(真剣な話をしてるっていうのに…私ってば…恥ずかしい….)
千尋(だけど…すごく親身になって話を聞いてくれた….)
千尋(…..こんなに安心したのは何年ぶりだろう….)
千尋(なんか…すごく懐かしい気持ちが芽生えてくる….)
?「そんなに下を向いていては、地面と顔がくっついてしまうよ」
千尋「!」
?「待たせて悪かったね。お腹が空いたのだろう」
千尋「あ…」
?「お食べ」
千尋「で、でも….」