「も…もういいだろ?帰ろうぜ」
「あそこだけっ調べてっ来るわ、怖いならお前もうここにいろよっ」
Cが妙に冷たく、たまに何かを飲み込む様に言い放った。
BどCが廊下を慎重に進んで行って、角に差し掛かった。
Bが膝からゆっくりうつ伏せになり、Cは廊下の先を見つめて
「フーッ……フーッ……」深呼吸の様な変な息の吐き方をしだした。
体に動きがなかったから、吐き出してたのか。
Aの言葉を思い出す。
俺には何もできないんだと自分に言い訳をしながら、咄嗟に逃げ出した。
いまやさっきの気持悪い感じが、病院全体に広がってる気がした。
「っおォっ……グッぶっ……ごェえ……」
何か吐き出そうとしているが、何も出てこない。
そんな嗚咽が聴こえてきた。Bの声だ。
直後に妙にはっきり、「んぁ……カ……っカ……り」
音声に、ストロボかトレモロを当てた様な声が聞こえる。
BかCがおかしくなったのかと思っていたが、今でもわからない。
走りたくなかった。
出来るだけだれにもに気付かれず、逃げると言うよりもその場を離れたかった。
やっと病院を抜けて全力で走り出し、Aのところまでたどり着く。