ドラえもんのその言葉を聞いて、僕は安心して眠りに就いた。
ドラえもん「その時のび太君が開けた箱の中身、やっぱり想像してたような物だったんだ」
ドラえもん「箱の中身、それは日本でかなり強い睡眠薬――ベゲタミン」
ドラえもん「あれだけ一気に服用すれば致死量は軽く超えるだろう」
ドラえもん「それが昨夜の出来事」
ドラえもん「きっとのび太君もおばあちゃんに会えて嬉しがってるだろうね」
ドラえもん「なによりも、この現実という名の牢獄から脱獄できたんだ」
ドラえもん「だけど自分じゃあの牢獄から抜け出すことは不可能に近かった」
ドラえもん「だから僕が手助けしたんだよ」
ドラえもん「あの研究は自分の本当の気持から目を背けるためにやっていた」
ドラえもん「逃げるために」
ドラえもん「自分ではどうすることもできない現実から逃れたい、そう思っていたんだよ」
ドラえもん「だからのび太君は自分の身をあの理不尽な研究に投じた」
ドラえもん「多分僕が止めなければ一生この牢獄でその地獄のような毎日を送っていただろう」
ドラえもん「のび太君はね。きっと最初から同じだったんだ」
ドラえもん「ママが最初にのび太君にはき捨てたあの言葉」
ドラえもん「”あの頃と変わっていない。あのクズみたいな頃と”」