???「スネちゃま、お帰りなさいざーます!!」
スネ夫「……ママ、何でいるの?」
抱きついてきた母親を引き剥がし、スネ夫は傘を床に置く。
スネ母「スネちゃまが心配でつい来ちゃったざます」
スネ夫「ママ、僕ももういい年なんだからさ。ママが心配してくるようなこともないんだよ」
スネ母「いーえ、スネちゃまはまだまだ子供ざます」
スネ夫「もう子供じゃな……」
言いかけたスネ夫は母が手に何か握っていることに気づいた。
それが何であるかスネ夫が認識するより早く、
その「何か」はスネ夫の腹部に突き立てられていた。
スネ母「スネちゃまは子供ざます。そして子供のまま……シぬざます」
スネ夫は母の手に握られた包丁が自分の腹に突き刺さっているのを見て、呆然としていた。
いったい、なぜ……
包丁が引き抜かれる。激痛とともに血液が噴出し、スネ夫はその場にくず折れた。
スネ夫「マ……マ、どうし……がぁあ!!」
言いかけたその背中に再び包丁が突き立てられる。
視界が歪む中、必死でスネ夫は顔を上げる。目の前に母の顔があった。
笑っている。鼻が少し赤かった。
スネ母「シぬざますシぬざますシぬざます!!!!」
スネ夫「く……そ……」
バーバリーの傘を探すが、手が届かない。
スネ夫は最後の力を振り絞り、拳を突き出した。抵抗にも攻撃にもならない、
その力ない一撃がゆっくりと母の顔面を打つ。
すると突如、母の動きが停止した。そして、空気の漏れるような音とともに母の体が萎み、
人形へと変わっていく。
スネ夫(コピー……ロボット? そうか、鼻のボタンに拳が当たったから……)
そこまで考えたところで意識が遠のき、スネ夫の視界は黒で塗りつぶされていった。