それで、何人かが障子に手をかけているのを
ぼーっと見ていましたら
「おい、これ開かないぞ!閉じ込められてるぞ!」
なんて言うものだから、他の大人たちも
パニックになっちゃいまして、みんな立ち上がって
必死に障子をガタガタさせ始めたそうです。
Sはというと、
「お坊さんが出るなって言ってたしな」
と思っていたそうで、また妹も
「お坊さんが出るなって言ってたから
出ないほうがいいと思う」
とのことなので、立ち上がることもなく
座っていたそうです。
加えて左隣のお爺さんも動かなかったので
3人で大人しく座りながら、出ようとする
大人たちを眺めていました。
するとしばらくしてから
「おい!ここに抜け道があったぞ!」
という声が聞こえました。
よく見ると、1番前にあった掛け軸が
めくられていて、その後ろにポッカリと
穴が空いていたそうです。
「助かった!これで出られる!」
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なんて言いながら、その穴から大人たちが
次々と行って最後にポツンと3人だけ
残される形になりました。
大きな広間に3人だけの状態だと
さすがに不安が大きくて、やっぱり出れば
よかったなぁって思いながらも
左のお爺さんも動かないし、
妹も出ないほうがいい
という意見であったので、
まだしばらくは様子を見ようという
結論になったのでした。
それからさらに、小1時間ほどたちました。
どんどん不安が大きくなってきて
出ようか残ろうかぐるぐると考えていましたが
「よし決めた、このお爺さんが動いたら
自分たちも動こう」と決意し
その時が来るのを待っていました。
すると、何かが聞こえる様な気がしました。
遠くの方で何かが鳴いている様な気がするんです。
初めて立ち上がって、障子に耳を当てて見ると
やっぱりちょっと遠くの方で
わーっと何かが鳴いている音が聞こえるんです。
なんだろうっと思いながらも
ずっと座っていた中からの初めての変化に
耳を澄ませていました。
