スネ吉「あの様子なら、もう心配なさそうだな。」
しずか「このバイトなら日雇いだしちょうどいいんじゃない?」
ジャイアン「でもなかなか給料が振り込まれないし……」
スネ夫「ジャイアン!!」
ジャイアン「すっ、スネ夫!!」ガサガサ
スネ夫「隠さなくていいよ!ジャイアン僕たちのせいで弁償したお金のことで困ってんでしょ?なら……」ガサゴソ
スネ夫「ママに正直に話してもらってきたんだ!20万!」
ジャイアン「なっ……」
スネ夫「だからバイトはもうしなk」
ジャイアン「いらねぇ。」
スネ夫「え……」
ジャイアン「俺は俺でなんとかするからお前はそれでラジコンでも買えばいい。じゃあな。」
スネ夫「ジャイアn」
しずか「たけしさん!!」
ジャイアン「!!」
しずか「たけしさんはわからないの……?このお金、もらってくる時、スネ夫さん、とても勇気を出したと思うの。」
スネ夫「……」
ジャイアン「……」
しずか「そして、その勇気を引き出したのはたけしさんよ。」
ジャイアン「え……」
しずか「スネ夫さんは今、お友達のために勇気を出して、やっとお友達を助けられそうなのよ!?ガキ大将ならそれくらい黙って受け止めなさい!!」
ジャイアン「……」
ジャイアン「……でも俺は」
スネ夫「ねぇ、ジャイアン……」
スネ夫「僕は知ってるよ。ジャイアンが昔から意地張ってばかりだったよね。ガキ大将だからって、『俺様についてこい』って感じで自分が一番つらい時も誰にも頼ろうとしなかったもんね。」
ジャイアン「……」
スネ夫「だからさ、ジャイアン」
スネ夫「たまにはさ、僕にも恩を返させてよ。」
ジャイアン「スネ夫……」
スネ夫「……」
ジャイアン「スネ夫のくせに生意気なんだよ!」グリグリ
スネ夫「いたたた!」
ジャイアン「俺様が将来歌手になったらお前はマネージャーにしてやるぜ!わっはっはっは!!」
しずか「ふふふ。」
…………
……
こうして夏休みは終わっていった……
九月のある日、のび太は進路希望のプリントの前で困り果てていた。
しずか『進路?私は大学に行って外交官になる勉強をするつもりよ。のび太さんは?』
スネ夫『僕は大学進学してパパの会社を継ごうと思ってるよ。のび太は?』
ジャイアン『俺はもちろん歌手だぜ!夢が叶ったらコンサートに招待するぜ!のび太はどうすんだ?』
DQN1『俺っすか?俺は専門行って美容師になる予定っす。のび太さんはどうすんすか?』
DQN2『う、わっ、すいません!俺みたいのが近づいたら迷惑すよね!?すいませんした!!』ピュー
のび太は誰の質問にも答えられなかった。
のび太「進路、かぁ……」
…………
……