男「……」
女「……ん…あ、来てたんだ。おはよ」
男「もう昼だけどね。おはよ」
女「明日は卒業式だっけ」
男「そうだよ」
女「桜の季節だね」
男「学校でも咲いてるよ。桜並木が満開にね」
女「滅びの美学って知ってるかな?」
男「桜はすぐに散るからこそ儚くて美しいってやつだ ね」
女「それそれ」
男「社会的に抹殺されかけた僕はどうかな?」
女「うーん、美しくはないかな」
男「oh」
女「明日はさ、来なくていいよ」
男「倦怠期かな?」
女「付き合ってないからね」
男「でも僕は君が大好きだよ」
女「そう」
男「だから明日も明後日も毎日つきまとってあげるよぐへへ」
女「……」ポチッ
男「!?」
マタアナタデスカ
コイビトナノデテレテレ
女「違いますからねー」
男「面会時間中なら社会的に抹殺されないよ」
女「惜しい」
女「なぞなぞ」
男「ん?」
女「今日はないの?」
男「うーん、大きな女の子のそばにある木ってなんだー?」
女「……」
男「んー?」
女「……言わないよ」
男「じゃ答えは明日聞くよ」
女「言わないって」
男「今日は退散するかな」
女「珍しく早いね」
男「寂しいかな?」
男「寂しいよ……(裏声)」
女「……まあ、寂しいよ」
男「!?」
男「やあ!今日は卒業式だよ」
女「もう終わったでしょ?」
男「僕のはね。君のはこれからだよ」
女「……」
男「君のお母さんに頼んで卒業証書僕が預かってきたよ、はい」