帰り道、オラは河原の芝生に座り込んでいた。
時刻は黄昏時。鳥たちは誰かに呼びかけるように、鳴き声を出しながらどこかへ飛び去っていた。
ここでどうしようというわけでもない。
昨日あんなことがあって、家に帰るのが気まずいから、時間を潰しているだけだった。
(こんなに心が狭かったんだな、オラ……)
ふと、今の自分に苦笑いが零れた。
あいちゃんの言ったことは、分かってるつもりだ。
全部、オラは分かっていた。
ひまわりの事故で一番責任を感じているのは、おそらく風間くんだろう。
だからこそ、ああしてオラに全てを話してきたんだと思う。
そしてひまわり……
彼女が毎日見せる幸せそうな顔を見れば、風間くんとの付き合いがどういうものかが、自然と分かる。
常に笑顔であった陰には、オラだけじゃなくて、風間くんのおかげであった面も大きいのだろう。
……そんなことは分かってる。分かってるけど、どうしても心の歪みのようなものが取れなかった。
こんなの、オラがただふてくされてるだけだろう。
ホント、子供みたいだ……
「――あれ?しんちゃん?」
「ん?」
後ろから、唐突に話しかけられた。
そこに立っていたのは、ななこお姉さんだった。