【クレヨンしんちゃん】しんのすけ「……父ちゃん、母ちゃん。ひまわりは今日も元気です。――行ってきます」誰も知らない22年後・・・

帰り道、オラは河原の芝生に座り込んでいた。
時刻は黄昏時。鳥たちは誰かに呼びかけるように、鳴き声を出しながらどこかへ飛び去っていた。

ここでどうしようというわけでもない。
昨日あんなことがあって、家に帰るのが気まずいから、時間を潰しているだけだった。

(こんなに心が狭かったんだな、オラ……)

ふと、今の自分に苦笑いが零れた。

あいちゃんの言ったことは、分かってるつもりだ。
全部、オラは分かっていた。

ひまわりの事故で一番責任を感じているのは、おそらく風間くんだろう。
だからこそ、ああしてオラに全てを話してきたんだと思う。

そしてひまわり……
彼女が毎日見せる幸せそうな顔を見れば、風間くんとの付き合いがどういうものかが、自然と分かる。
常に笑顔であった陰には、オラだけじゃなくて、風間くんのおかげであった面も大きいのだろう。

……そんなことは分かってる。分かってるけど、どうしても心の歪みのようなものが取れなかった。
こんなの、オラがただふてくされてるだけだろう。
ホント、子供みたいだ……

「――あれ?しんちゃん?」

「ん?」

後ろから、唐突に話しかけられた。
そこに立っていたのは、ななこお姉さんだった。

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