【クレヨンしんちゃん】しんのすけ「……父ちゃん、母ちゃん。ひまわりは今日も元気です。――行ってきます」誰も知らない22年後・・・

「……ひまわり……」

「……」

ひまわりは、ただ泣いていた。
オラの言葉が届いていないのか、それとも答えられないのか……それは分からない。
それでもオラは、彼女に話しかけた。

「……ひまわり、お前は勘違いをしているよ……。
オラはな、ただ、お前が笑っていられるようにしていただけなんだよ。
ひまわりの笑顔は、本物の太陽みたいなんだよ。
暖かくて、安心できて、いつも、オラを照らしてくれてる。
オラは、それに救われてたんだよ」

「……」

「……それなのに、ひまわりはオラのために辛い思いをしている。
それじゃ、ダメなんだよ。ひまわりが幸せじゃないと、オラも幸せになれないんだよ」

「……お兄ちゃん……」

「本当にオラのことを思ってくれるなら、幸せになれ。
たとえオラと離れることになっても、自分の幸せを掴むんだ。
それが、オラの願いだ。……いや、オラだけじゃない。それはきっと、父ちゃん、母ちゃんの願いでもある。
――ひまわりの家族全員の……お前を大切に思う人みんなの、願いなんだよ」

「……ひぐっ……ひぐっ……」

「――風間くんのところにいけ。
お前は、本当はそうしたいんだろ?……だったら、後ろを振り返るな。お前は、前だけを見るんだ。お前の幸せは、今目の前にある。それを、掴むんだ。
……オラは、後ろからそれを見てるからさ。どれだけ離れてても、ひまわりの幸せを見てるからさ。
そしたらきっと、オラも幸せになれる。
……だから、ひまわり。――この家を、出るんだ……」

「……あああ……あああ……うぁあああ……!」

ひまわりは、声を上げて泣いた。
それは、自分の中にある罪悪感を消し去るためだろうか。
彼女の中で、今オラは、足枷になっている。
それを外したことにより、彼女の中の何かが弾けたのかもしれない。
だけど、その涙の先には、必ず彼女の笑顔があると信じている。

だからオラは、ただ彼女を見ていた。泣き続ける彼女を見ていた。
――ふと、頬に何かがついているのに気付く。
触ってみれば、それはべたべたしていた。

(……なんだよ……なんでオラも泣いてんだよ……)

……それでも、手で触れたものは、とても暖かかった。

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