家の事は彼女が置かれている現実で。多分、色々と考える事が多い時期で。
あの時はまだ、俺みたいな他人に踏み込まれるのは嫌だったんだと思う。
明確に一線を引かれて。その事に関してはそれ以上、知る事も拒否された感じで。
どうにかしたくても、仕送りとバイトで生活させて貰ってた身ではどうにも出来なくて。
まずちゃんと資格取って卒業して就職しよう。殆ど考えもしないで、そう結論出して。
職に就いたからと言って、何か出来る事があるのかどうかは解らなかったけど、
とりあえずそれに集中しようと言う、ほとんど逃避のような状態で、そう決めた。
半月くらいすると、彼女とは元通りというかそれまで通り。表面的にはそう戻ることが出来て。
俺がのんびりしてる時は必ず横にいて。色々話して。よく笑って。時々甘えて。
たまに怒って、拗ねて。許して貰うのに時間かかって。でもそれも、甘えてるのと一緒で。
結局は、ちょっとじゃれついてきたり、長居する口実。それはそれで、可愛くて。
学校か実習行ってバイトして帰って、彼女がいて。その繰り返しの毎日はとにかく早く過ぎて。
春先からもう就職活動の準備初めて、色々やってるうちに彼女の誕生日が近づいて。
また何か、とは思ったけど今の状況ではどうなんだろうとそんな事考えてる時。
不意に「お願いしていいですか。」なんて言いだして。それまでには無くて。ちょっと意外で。