電話したら婆ちゃんが出て「言うとく、言うとく。」それだけ言って切って。
まぁ伝わりはするだろうと思って、部屋帰って。その日は彼女の命令で、大人しく寝てた。
入院中、彼女は昼頃に洗濯物取りに来て、夕食前の時間まで話し相手になってくれて。
洗濯は病院でも出来るし、そんな事させていいのかなと思ったけど、つい甘えて。
来ないとなると寂しかっただろうから、何も言わず、世話かけてしまって。
親父は仕事で来れなくて、おかんが俺の部屋泊まって面倒見てくれるつもりで来てたけど、
彼女と会って。毎日来てると知って。「おらんでいいね。」って帰ると言いだして。
おかんは彼女とお婆さんと会って、食事して。一日泊まって、朝また来て。昼には帰った。
おかんも彼女の家の事は親父から聞いて知ってて。どんな話したのかなと、気になって。
昼過ぎに来てくれた彼女に聞いたら「あは。ごめんなさい。」いきなり謝られて。
「え、何?」「ばれちゃいました。カノジョだって事。」言って見上げてすぐ、視線外して。
「え、誰に?」「お兄ちゃんのお母さんとおばーちゃん。」照れまくりな彼女がいて。
身内に知れるのはさすがにまだちょっと色々早すぎると思ってて。結構、慌てた。
「おかん、何て?」「お願いしますって。」「お願いって。」何をだよって感じで。
「他に何か、話した?」「あは。仲良くして貰ってる事…とか。」内容は聞けなかった。
やたら嬉しそうな彼女をこれからどう扱っていいのか解らなくて。結構長く悩んだ。
けど結局、何も変えない事にした。それが一番、楽だった。