子供「募金を始める少し前、オレの体内にこの突然変異のウイルスが侵入した」
子供「ウイルスが何を考えているのか……オレにはすぐ分かった」
子供「“手始めにこのガキを殺し、エネルギーとし、人類を絶滅させよう”というのが狙いだった」
子供「オレは必死に押さえ込もうとしたが、やはりウイルスの方が手強いことが分かった」
子供「このままオレが死んだら、オレの体から飛び出したウイルスは瞬く間に人類を滅亡させるだろう」
子供「かといって、オレがこのことを話しても、こんなガキの言うことは信じてもらえない可能性が高い」
父「た、たしかに……!」
母「信じるわけがないわ……!」
子供「それに、医者に頼むにしても、並みの医者ではどうにもならないし意味がない」
子供「だからどうにかして、世界的な名医の方からオレの異変に気づく、という状況を作りたかった」
子供「そこで一計を案じたんだ……」
子供「募金騒ぎを起こし、世界中の注目を集め、オレの異変を名医が察知してくれるようにな」
父「そうだったのか……」
母「あなたはずっと未知のウイルスと戦ってたのね……」
医者「ここにあなたがたが集めた一兆円以上のお金がある!」
医者「これだけの資金があれば、この恐るべきウイルスを撲滅するワクチンを作れるはずだ!」
医者「すぐにチームを招集してくれ!」
医者「なんとしても、この子が死ぬ前にワクチンを作らねば!」
子供「頼むぞ……どうか人類を救ってくれ……」
ワイワイ…… ガヤガヤ……