生徒1「おい、女さん、男の方をジーッと見てるぞ?」
生徒2「どうしたんだ……?」
男「……あの、何か?」
女「あなた、昔からこの辺りに住んでいる?」
男「はぁ? あ、一応そうですけど」
女「……そう」
『タッタッタッタッタ……』
男「……何だぁ?」
男友「お前のことに興味を持っていたようだが……よし!」
ー休み時間ー
男友「ねぇねぇ、女さん! ちょっと質問したいことがあるんだけど!」
委員長「こらっ! 男友は質問禁止!」
男友「ひでぇ! っていうか、この質問は別に変なことじゃないから!」
女「何かしら?」
委員長「……ったく、仕方ないなぁ」
男友「さっすが委員長! えっとさ、さっきこいつの側を通った時にじっと見てたじゃん?」
男「無理やり引っ張ってきやがって……!」
女「えぇ、そうね」
男友「ぶっちゃけ、どうして?」
委員長「あ、それは……確かに聞きたいかも」
男友「だろ!? で、それについては答えてくれるかな?」
女「いいわよ。 だいぶ昔のことだけど、私も少しの間ここに住んでいたことがあるの」
男友「へぇっ! じゃあ、この辺に戻ってきたってことなんだね」
女「そうね。 尤も、私もここに住んでいたということはほとんど覚えてないんだけど……でも、一つだけ覚えていたことがあったわ」
委員長「えっ、それがひょっとして男くんとか!?」
男「いや……知らないんだけど。 初対面、ですよね?」
女「覚えてないのも無理もないわ。 というか、本人かどうかすらも怪しいし」
男友「運命の再会ってやつじゃねぇ!?」
委員長「ど、どうやって知り合ったの!?」
男「おい、話を勝手に……!」
女「私が親に叱られて泣きながら道路を歩いていた時に、偶然傍にいて励ましてくれた男の子……それがあなたに似ているの」