ー屋上ー
男友「三十分も待たせるって……そんなに時間がかかる話なのか?」
男「いや、実際はそんなにかからないだろうけど、少し長めにとっておいた」
男友「どうして?」
男「話を聞き終わった後で、お前も聞いておきたいこととかあるだろうと思って」
男友「……さっすが、よく分かっていらっしゃる」
男「さて……ここなら落ち着いて話せるな」
男友「ようやく真実が語られるのか……!」
男「知識欲、じゃないな。 情報欲、とでもいいのか? ほんとにお前はそいつの塊だな」
男友「こっちは商売でやってるんだからな! 半端にはしておけねぇのさ」
男「……単純にそれだけかよ。 まぁいいけど、これから話すことに関しては、お前だから話すことだ。 絶対にオフレコだぞ」
男友「……お金を渡されても?」
男「あぁ。 “情報屋”としてのお前に話すんじゃなく、あくまでも“友人”としてのお前に話すだけだ。 女さんの名誉にも関わる」
男友「……仕方ないな。 分かったよ」
男「よし。 じゃあ、昨日の帰りのことから話すが―――――」