男「ッ!?」
男(……何だ、誰だよ、こいつ。変な形の注射器もって……?)
ちょっと、部外者は入ってこないでください!
待って、この声、どこかで……
??「これを! 特効薬なんだ、早く!」
男「!」
特効薬!? そんなの聞いたことがありません!
男「こいつが助かるんなら何だっていい!」
男君!?
男「おい、アンタ、早くしろ!」
??「ああ……」プスッ
脈拍安定、危篤状態から回復……体の各部機能が回復していきます。
信じられない……本当に、特効薬があったのか。
??「…………」
男「あ、あのッ」
??「! ああ……男君か」
男「え? 名前、言いましたっけ?」
??「さっき病室で聞いたんだよ」
男「はぁ……」
??「……そろそろ時間だな」
男「あ、ちょッ」
??「悪いな、とびきり美人の嫁さんと鯖の味噌煮が俺を待ってるんだ」
男「は、はぁ……」
??「いいか、疑問は色々あると思うが、残念なことに僕は、いや俺はそれに答えられない」
??「ただ言えるのは、俺がここにきて、彼女を救ったのは、偶然でもなければ運命でもないってことだ」
男「……?」