女「・・・・お待たせ」
男「・・おう」
女「車椅子、押さえてもらわなくても、ちゃんと座れるわ」
男「お前さ、人の好意は素直に受け取れよ」
女「・・・それは、私が普通に歩ける人だったとしても同じことするの?私が教室で座る時、いちいち椅子を引くの?」
男「お前、結構めんどくさい奴だな」
女「なっ!」
男「体調悪い時は、ソイツの事助けんのは普通だろ」
女「・・・そうかもしれないけど」
男「お前が、出来るだけ人の手借りたくないってのは、見てりゃ分かるよ。だけど、座る時とか転ばないように支えることで、別にお前の運動量は減らないだろ?余計な事故が起こらないようにしてるだけなんだから、それくらい別にいーだろーが」
女「・・・・意外にも、理論的なのね」
男「なんで一々そういう言い方すんだよ」
女「・・・ごめんなさい」
男(だからって素直に謝るなよ)
女「分かったわ・・・確かにあなたの言う通りだと思います。ありがとう」
男「お、おう」
女「・・じゃあ座ります」
とす
男「・・・・あー生徒会室の鍵、返すんじゃねーの?」
女「ええ。返してきます」
男「おう」
女「・・・なんであなたもついてくるの?」
男「はぁ・・・例えば、ダチと2人でだべってて、そいつが職員室にちょっと寄る用事あったら、ついて行くのくらいフツーだろ」
女「・・・」
女「・・・今日はありがとうございました」
男「別に畏まって礼とか言わないでいいんだけど」
女「そう」
男「そういや、迎えまだ来てないのか?」
女「ええ。うち、母も働いてるから、仕事帰りに寄ってくれるの」
男「車?」
女「そうよ・・あ、あの近づいてくる車よ」
男「あ、そ。じゃあ俺も帰るわ。明日も放課後行かせてもらうから、会長さんに聞いといてくれよ」
女「あ・・はい」
ブロロロ・・キッ
女母「あら?今日はどうしたの?」
女「えっと、友達が送ってくれたの」
女母「あら!お礼言わなきゃ。生徒会の方?」
女「いえ・・もう帰ってしまったわ」
女母「そうなの・・まあとにかく帰りましょう」
女「うん」