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コンコンコン
女「どうぞ」
ガラガラガラ
男「・・・」
女「・・なんですか?」
男「いや・・昨日の話。会長さんに聞いてくれたんじゃねーのか?」
女「ええ、その話なら、別に良いという事です。ただし、会議のある金曜はダメです」
男「そ。そりゃどうも。じゃあおじゃまします」
女「はい」
がた
てく・・てく・・てく
かちゃ
トポポポポ・・
女「お茶、どうぞ」
男「あ、すまん・・・てか別に毎回お茶入れてくれなくてもいいけどな」
女「人の好意は素直に受け取ったらどうなの?」
男「・・・ッチ・・お前やっぱウザいわ」
女「お返しよ」くすくす
男「・・・」
男「・・・あっバカ、オフサイドラインこえてるだろ・・」
女「・・・」
男「・・・ん、そう言えばお前は外見ないのか?」
女「なんであなたといっしょに、並んで窓から顔を出さなければいけないの?」
男「・・・ホント一々嫌味言う奴だな」
女「・・・」
男(あー・・・そっか。オレがここいるとコイツの習慣を妨害しちまうのか・・?)
女「私は今日は勉強しているから、気にしないでいいわ」
男「勉強?期末まで3週間以上あるだろ?」
女「定期試験の直前にしか勉強しないあなたとは違うの」
男「うぜ・・・ん?お前マジで何の勉強してんの?学校の勉強じゃないだろ、ソレ」
女「資格の勉強をしているのよ・・のぞき込まないでくれる?」
男「資格?なんの?」
女「・・・アナタには関係ないでしょ?」
男「まあそうだけど、気になったこと聞くくらい良いだろ」
女「・・・公認会計士の資格を取りたいの」
男「会計士?それって大学卒業後とかに取るもんじゃないのか?」
女「・・・別に受験資格は大卒ではないわ」
男「でも、高校生が取れるもんなのか?確かすげー難しいやつだろ?大学行ってからでも」
女「私は・・・あなたと違って部活もしていないし時間があるの。そ・・それに、私のことで家族に迷惑をかけている。だから早く独り立ちしたいの」
男「・・・そっか。まあ、がんばれよ」
女「・・・あ、あなたこそこの部屋使わせてあげてるんだから、ちゃんと自分のすべきことをしなさい」
男「いや、今日の練習もう終わりみたいだ」
女「・・・そう」
男「さて」
すくっ
ジャー・・ガチャガチャ
男「もう時間だし、お前も帰るしたくしろよ」
女「・・・ええ」