男「・・・知らなければ良かった事」
女さんは実は男性だったとか、キューティーハニーだったとか。もしくはマフィアに雇われて俺を殺しにきた殺し屋なのかもしれない。
笑子「な~んてね、あははは。って、男?どうしたの?深刻な顔して。」
男「いや、いいんだ。女さんが男性でも、正義の味方でも殺し屋だって構わない。」
笑子「え?」
男「俺は女さんの腹筋を崩壊させる!その為なら・・・俺は死ねる」
新たなる決意を胸に、俺は弁当箱を掴み教室を後にした。
友「ん?笑ちゃん、男の奴どうかした?妙に悲壮感漂ってるっていうか」
笑子「あ、はは。し~らない。あーお腹減った~」
隣のクラスのドアを開ける時、柄にも無く緊張してしまった。
もし、本当の女さんを知ってしまった時、俺はそれでも笑わせる事が出来るのか?そして、俺は女さんを好きでいられるのか?
誰にでも人には見せない裏の顔がある。アニメおたくだったり、鉄っちゃんだったり、露出狂だったり、シャブ中だったり、ジャックザリッパーだったり。
本当に人を好きになるなら、本当に女さんを好きになる覚悟あるのなら、受け入れなければいけない。
知ってしまったら、もう知らない頃には戻れない。後には引き返せないんだ。政治家じゃないんだ、知りませんでしたは通用しない。
男「・・・だったらどうした!」
手に再び力を入れ、思い切りドアをスライドさせる。
バーン!
大気をつんざく程の爆音に騒がしかった生徒達は一斉に黙り込み、目を丸くすると俺に注目した。女さんは窓側の席に一人で座っていた。
男「女さん!俺は、女さんの全てが知りたい!隅から隅まで余すところなくだあぁぁぁぁあ!」