俺は大学卒業後、彼女と結婚するつもりでいたし、彼女もそう考えていたと思う。
大学3年のお盆休み、田舎に戻るついでにツーリングしようと言う事で2人でバイクで田舎に行った。
俺たちは2人の関係を隠すつもりもなかったし、
俺は2人の両親が揃っている前で婚約を執り付ける腹だった。
お揃いのメットとジャケットを着て、2人仲良くやってきた俺達を見て叔父さんは微妙な表情をしていた。
母は露骨に嫌そうな顔をしていた。今思えば、他の親戚も微妙な表情をしていたな。
田舎に着いた晩、俺は叔父さんに呼ばれて2人で隣町の飲み屋に行った。
叔父さんは
「次郎君、君はユカリとどの位付き合っているんだい?
あれが君の事を好いていたのは子供の頃から知っているが、
今日は少し驚いたよ。もしやとは思っていたけどね」
俺は
「すみません。これまでも隠すつもりはなかったんだけど、ボクが高3の頃からです。
今回はみんなの前で結婚のお許しを貰おうと思って2人できました」
叔父さんは
「反対した所で辞める気はないんだろう?
しかし、君はまだ学生だし、まだ先の話だ。
君には皆期待している。今やるべき事に集中しなさい。
将来の道が確定してからでも遅くはないだろう。その方が余計な軋轢もなくていいよ。」