【目撃】
とりあえず、コンビニを出よう。
財布もケータイも持たずに出てきてしまった。
いつまでもここにいても仕方ない。
あと1時間か2時間かほど、どこかで頭を冷やした方が良さそうだ。
気持ちが落ち着いたら帰ろう。
帰って、母さんにちゃんと謝るんだ。
店員「いらっしゃいませ。」
?「そしたらね~」
?「ホントぉ?」
出木杉「?」
制服姿の男女二人組。
あれは確か、地元の公立高校の制服だ。
もしかしたら中学の同級生?
だとしたら、会いたくない。
今のこんな僕を、知り合いに見られるのは嫌だ。
慌てて顔を伏せる。
だが一瞬、無意識に動かした眼球が、その二人の顔を捉えてしまった。
出木杉「!!!!!!!!」
のび太くん。
そして、しずかちゃん。
今までに経験した事がない勢いで、血の気が引いてゆくのを感じた。
(「気持ちは嬉しいけど」)
中学を卒業後、他の多くの生徒と同じく、地元の公立高校へと進学した二人。
(「ごめんなさい。」)
幼馴染みで、同級生で、ご近所さん。
たまたま帰りが一緒だった可能性だってある・・・・・・。
“普通”なら。
(「私・・・・・・」)
だが、違う。
今の彼らの状態は普通ではない。
万年勉強漬けの僕にも一目でそれと分かる。
二人は
手を
つ
な
い
で
い
た
。
(「好きな人がいるの。」)