男「……というわけなんだよ」
友人「はぁ……」
男「客なんかろくにいない寂れたコンビニなんだけど、あの子俺に気があるに違いない!」
友人「ねーよ」
男「いや、あれは脈あるって!」
友人「あるわけないだろ……たまたまだよ、たまたま。事故みたいなもんだ」
男「そうかなぁ」
―コンビニ―
女店員「いらっしゃいませ~!」
男「これを……」
女店員「30円のお釣りになります」ニギッ
男「……!」
男(今軽くだけど握った! 俺の手を握ってくれたよな!?)
男「気がある!」
友人「ないって……」
男「あるって! 俺はもうほとんど確信してる!」
友人「ないない……ありえない」
男「だって、手を握ってくれたんだぜ!?」
友人「小銭を落とさないように渡したら、偶然そうなっちゃったんだろ?」
友人「自意識過剰すぎなんだよ……。くれぐれもストーカーになるんじゃねえぞ」
男「うう……」
―コンビニ―
女店員「お釣りです」チャリン
客「どうも」
男(あの客の手には触ってない……)
男(次は俺だが……)
女店員「40円のお釣りになります」ピトッ
男(うほおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!)