【※感動注意※】しんのすけとシロが家出・・・しんのすけ「シロ!家出するゾ!」シロ「クゥーン……」

――見上げた夜空は、鮮やかに彩られていた。
黒のキャンパスには、様々な光の粒子が散りばめられ、目を凝らせば、それぞれが独自の色を放っていた。
赤、青、翠、黄……七色と言うのだろうか。不規則に並べられた宝石のように、空は輝いていた。
そして光は揺れる。ゆらゆらと、優しく、儚く。
一つ一つはとても弱いのかもしれない。でも、寄り添うように集まった群集は、一つの絵画を作り出し、中央には、巨大な川が生まれていた。あれはきっと、天の川と呼ばれるものだろう。
とても幻想的で、とても神秘的な光景だった。
手を伸ばせば掴めそうなほど、やけに星が近くに見えた。

……僕としんちゃんは、夢の中に入るまで、夏の夜空を見上げていた。

「――おい……おい」

突然、誰かに声をかけられた。
僕が目を覚ますと、農作業をするおじいさんがしんちゃんの体を揺すっていた。
空には太陽が昇っており、どうやら朝を迎えたようだ。

「おい坊主。起きんか」

「……んん……お姉さん……」

しんちゃんは体をくねらせながら、顔を赤くしていた。
……こんな時まで、お姉さんの夢を見なくていいのに……

「妙な子供だなぁ……ほれ、いい加減目ぇ覚ませ」

呆れ顔を浮かべながら起こすおじいさんの声に、しんちゃんはようやく目を覚ました。

「んん……まだ眠いぞ……」

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