――試験二日目。
この日は体力試験。酢乙女グループが所持する、ドームで開催。
とりあえずジャージで出場。
他の軍人(?)様は、皆が白いタンクトップ。
際立つ筋肉。漂う漢達の匂い。
……暑苦しい。
――第1種目「100m走」――
オラの記録、16秒。
他の皆様、平均11秒。
いや早すぎでしょ。
――第2種目「懸垂」――
オラの記録、4回。既に腕がパンパン。
他の方々……平均100回オーバー……
どういう体の構造してんの……
――第3種目「ソフトボール投げ」――
オラの記録、55m。
他の方々……100m越え連発……
野球選手でも目指しているのだろうか……
こうして、体力検査は進んでいった。
結果から言えば、オラが圧倒的最下位をひた走る形となる。
頑張ろうかと思ったけど、流石にもう無理だろうな。
他の方々が逞しすぎるし。
……そもそも、いったいなんの採用になんだろうか……
そして試験は、最終日を迎える。
「――今日の試験最終日は、実技です。みなさん、頑張ってください」
「イエッサー!!!!!」
年配の人は、そう話す。
他の方々は、元気いっぱいに答える。
実技の場所は、とある建設現場……なぜこんなところだろうか。
ていうか、実技ってなんだろう……
オラの不安を他所に、試験管はよぼよぼと話す。
「……今日は、試験責任者である、酢乙女あい様が見学に訪れています……お嬢様、どうぞ……」
すると、試験管の後ろからあいちゃんが出て来た。
「皆様、今日の試験、頑張ってください」
「ウオオオオオオオオオオ!!!!」
興奮する男共。
(あいちゃん、来てたんだ……)
あいちゃんはオラの方を一度だけ見て、小さく笑みを零した。
(あいちゃん……オラ、もう無理っぽい……)