【クレヨンしんちゃん】しんのすけ「……父ちゃん、母ちゃん。ひまわりは今日も元気です。――行ってきます」誰も知らない22年後・・・

「うぅぅ……ヒドいです、しんのすけさん……」

あいちゃんは服の裾を絞りながら、恨めしそうにオラを見た。

「ごめんごめん。……でも、少しすっきりしたでしょ?」

「……確かに、それどころじゃなくなりましたけど……」

「でしょ?ハハハ!」

「……もう、笑いごとじゃないですよ」

そう言いながらも、あいちゃんは笑っていた。
その笑顔を見たオラは、少しだけ安心した。

「……それで、いいんだよ」

「え?」

「あいちゃんの苦悩とかは、正直オラにはどうすればいいのか分かんないよ。だけど、こうやって嫌なことを忘れて、笑ってもらうことは出来る。
辛い時とか、苦しい時は、そうやって笑うのが一番なんだよ。落ち込んでいるときに色々考えても、結局泥沼にはまっちゃうものだし。
笑って、心をスッキリさせて、そしてもう一度考えるんだ。どうしていくのか……どうしたいのかを。
――そうやって、オラは毎日生きてる」

「………」

「あいちゃん……今日は一日、思いっきり笑おうよ。そしたら、何かが変わるかもしれない」

「……そう、ですね……」

するとあいちゃんは、水にぬれた靴を脱ぎ捨てた。

「……しんのすけさん!もう一度、飛び込んでみたいです!」

「……うん!行こうよ!一緒にさ!」

それからオラとあいちゃんは、海で遊び回った。

彼女にとって、こうやって服のまま海で遊ぶのは、初めてなのかしれない。
彼女は笑っていた。凄く楽しそうに。

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