おかんも彼女の家の事は親父から聞いて知ってて。どんな話したのかなと、気になって。
昼過ぎに来てくれた彼女に聞いたら「あは。ごめんなさい。」いきなり謝られて。
「え、何?」「ばれちゃいました。カノジョだって事。」言って見上げてすぐ、視線外して。
「え、誰に?」「お兄ちゃんのお母さんとおばーちゃん。」照れまくりな彼女がいて。
身内に知れるのはさすがにまだちょっと色々早すぎると思ってて。結構、慌てた。
「おかん、何て?」「お願いしますって。」「お願いって。」何をだよって感じで。
「他に何か、話した?」「あは。仲良くして貰ってる事…とか。」内容は聞けなかった。
やたら嬉しそうな彼女をこれからどう扱っていいのか解らなくて。結構長く悩んだ。
けど結局、何も変えない事にした。それが一番、楽だった。
頑健な印象を持たれる事が多い俺が入院。学校の友達が面白がって見舞いに来てくれて。
その時のクラスの男女比が4:1くらいだったから、必然的に学内の友達は女の子が多くて。
彼女はそれが気になって。「…もしかしてもてる方ですか?」そんな訳は無くて。
七割方は俺の見舞いにかこつけて彼女を見に来てるって感じで、それ説明したけど、
男女比が異常に偏るのに彼女は納得がいかないみたいで。何か落ち着き無くして。
困ってたらバイト先の人が来てくれて。女の子ばっかりじゃないと言えて。助かった。