【※いちばん大切な日※】俺は18歳になるまで知らなかった・・・自分の命が1人の女子高生によって守られていたことを・・・

メモの名前には、前田裕子とある。

…聞いたこともない。

母とどんな関係があるのだろう。

そこは小さなアパートだった。

チャイムを鳴らすと幾つくらいだろうか、

母よりもいくらか年配の女性が迎えてくれた。

「慶太君!?大きくなったのね!」

親戚のおばさんかよ。

「前田裕子さんでしょうか、母から訪ねるように言われたのですが…」

「私は裕子の母親よ。裕子も喜ぶわ。さ、上がってちょうだい」

「お邪魔します」

「裕子、慶太君だよ」

そこには…、仏壇と遺影があった。

微笑むその遺影の女性は、とても可愛く優しそうだった。

「裕子、慶太君大きくなったね、良かったね」

おばさんは遺影に話しかけ続けた。

「あの……」

俺と母とこの人と裕子さん、接点がまるで分からない。

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